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『マッドマックス』プレイインプレッション V8への執念が俺を突き動かす!

 【01//2015】

『マッドマックス』プレイインプレッション V8への執念が俺を突き動かす!


文:ライター メスカブト森田
●この作品が世に送り出された奇跡を称えよ!
2015年10月1日にワーナー エンターテイメント ジャパンよりPS4、Xbox One向けに発売されたアクション・アドベンチャー『マッドマックス』。
オープンワールドを舞台に描かれる壮大かつ過酷な冒険を、『マッドマックス』をこよなく愛するライターのメスカブト森田が、時速300キロで書き殴る!
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2015年は記念すべき年だ。
バイオレンス・ムービー『マッドマックス』の、およそ30年ぶりとなるシリーズ最新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の劇場公開とともに、世界は終わりなき熱狂に包まれた。
各地にV8エンジンを称える集団が現れ、SNS上では老若男女の制作したファンアートが乱れ飛ぶ……前作が公開された1980年代、誰がこのような21世紀を想い描けただろうか(監督ジョージ・ミラーを除いて)!そんな狂気渦巻く2015年の10月1日、満を持して世に放たれるのがこのゲーム、『マッドマックス』だ!
最初に断っておくと、本作の世界は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と地続きではあるものの、映画とは異なるゲーム独自の設定も多々見られる。
なので、プレイの際はあまり肩肘張らず「映画とはひと味違う、パラレルな世界のマックスの活躍を楽しんでやるぜ」くらいのノリで臨むのがいいだろう。
とはいえ、本作には映画シリーズへのオマージュや小ネタが随所に散りばめられており、インターセプター、イモータン・ジョー、ガスタウンといった、おなじみの単語も数多く登場する。
そのため、映画版のファンならば、よりスムーズに作品に入り込めるはずだ(残念ながら、イモータン・ジョーは字面だけの登場だけど)。
もちろん、映画シリーズ未体験の方でも問題なく楽しめるので、安心してほしい。
ローカライズ時期の関係からか、“バラットファーム(弾薬畑)”のように、翻訳が映画と統一されていない部分も散見されるが、その程度は優秀なウォーボーイ&ガールたちにとって些細な問題だろう。
ちなみに、本作のマックスは、映画と同じくオーストラリア訛りの英語を操る(“everyday”を“エブリダイ”と発音したりする)。
制作陣のこだわりが感じられるポイントだ。

●走る!ツッコむ!炎上する!新たな相棒“マグナム・オプス”!!
物語は、愛車インターセプターでウェイストランドを疾走するマックスが、ガスタウンを支配するスクロタスの一派に襲撃されるシーンから幕を開ける。
身ぐるみを剥がされて荒野に放り出されたマックスは、彼のことを自分に遣わされた使者だと思い込む技術者チャムバケットと出会う。
ここから長く険しいV8エンジンのインターセプター奪還、そして自分の誇りを取り戻すための旅が始まるのだ。
本作の舞台“ウェイストランド”は、砂地と岩場がどこまでも広がる不毛の世界。
この広大なオープンワールドをストレスなく移動するには、クルマが欠かせない。
そこで、インターセプターに代わってマックスの新たな足となるのが、“マグナム・オプス”だ。
チャムいわく「背筋が凍るより速く、イグアナの生殖腺より頑丈」なマシンである。
一応、マックスが周辺の敵勢力拠点に乗り込んでボディを奪い、チャムが技術をつぎ込んで完成させた労力の結晶なのだが、搭載されているのがV6エンジンだとわかるなり文句を言い出すマックスの姿には、思わず笑みがこぼれる。

で、そのマグナム・オプスの操作性はと言うと、かなりのワイルド仕様。
ゲーム開始直後では加速もジンワリとしており、まともな道を外れると悪路にハンドルを取られて不安定な走行を余儀なくされる。
ほぼ無整備の道が続くオフロードの世界が舞台なのだから、それも当然か。
カスタマイズを重ねれば、このあたりの問題はある程度解決して快適に走行できるようになるものの、それでも切り返し時などに感じる重さやハンドリングのクセは残る。
煩わしさを覚えることもあるが、その粗さが本作の持ち味になっているとも感じられた。
また、ウェイストランドにはマックス以外にスクロタス一派やそのほかの敵勢力の車両も走行しており、マックスに気づくと攻撃を仕掛けてくる。
こちらの対抗手段は車両による体当たり、ハープーン、ホイールに装着したリム、ショットガンなどなど。
敵車両のどてっ腹に突っ込み、並走する車両をリムでガリガリ削り、運転席からショットガンをぶっ放す……と、じつに景気のいいカー・バトルが展開する。
個人的にお気に入りの武装はサンダープーン。
これは誘導性のあるミサイルといった感じの武装で、最大までカスタマイズするとリロードの隙が短縮され、ほとんどの車両を一発で葬れる。
これのおかげで、ロードヒエラルキーの頂点を極めた、気ままなドライブが謳歌できるようになるのだ。
こうなれば、もはやマックスがウェイストランドの道交法、狂い咲きサンダープーン状態だ!
クルマの話ついでに書いておくと、物語終盤でマックスはガスタウンで行われるレースに出場するのだが、このレースがじつに『デス・レース』を彷彿とさせるものになっている(ジョージ・ミラーに影響を与えた『デス・レース2000年』ではなく、2008年公開のリメイク版のほう)。
ゲーム中、最大の難関と言っても過言ではないこのレースだが、時代を越えたインスパイアの踏襲には感慨深いものがある。
勝手な想像に過ぎないのかもしれないけど……。

●暴力が支配する世界を探索
マックスの目的はV8エンジンの奪還、そして打ちのめされた自分のプライドを取り戻すことであるため、ストーリーミッションではそれに沿った物語が展開していく。
しかし、本作ではストーリーミッションを進めるか否かはプレイヤー次第で、ミッションを放置して自由にウェイストランドを探索することも可能だ。
ウェイストランドには、歴史の遺物や通貨代わりのスクラップが手に入る“物資回収地点”、多彩なルールでカー・レースが楽しめる“デスラン”、敵勢力が蠢く“敵拠点”など、探索できるポイントが数多く存在。
さらに、水を求めてさまよう放浪者との遭遇、突如として発生する嵐といった、突発的なイベントが発生する点も見逃せない。
ただ、先述の通りウェイストランドはかなりの広さを誇るうえに、砂漠や岩山がどこまでも続く。
朽ち果てた船やバザードたちが潜む洞窟などの魅力的なロケーションも見られるが、探索がどうしても作業的に感じられる部分があるのはやや残念。

ウェイストランドの各地では水以外にも食料を見つけることができ、食べるとマックスは体力を回復する。
その内訳は、ドッグフード、トカゲ(生)、ネズミ(生)、ウジ虫と、この世界の貧困な食糧事情を推しはかるに十分なものだ。
食料の中でも比較的まともなドッグフードは、缶のデザインが『マッドマックス2』に出てきたものと同じという、ファンの心をくすぐるなんとも憎らしい仕掛けが施されている点にも注目したい。

探索時にマックスの拠点となるのは、各地域を牛耳るリーダーの住む砦だ。
リーダーには炎を崇拝する教団の指導者や、自分の身体に矢尻をぶっ刺す自傷行為者と、なかなかの個性派揃いだが、わりと素直に砦をマックスに間借りさせてくれるあたり、みんな根は善人なのだろう(サイドミッションで手を貸せと言ってくることもあるが)。
また、各地でプロジェクトパーツを集めると、砦でパーツに応じたプロジェクトが進行。
プロジェクトが完了すれば砦が発展し、行くたびに燃料や弾薬などが補充されるなどの恩恵を受けられる。
ゲームシステムと世界設定がうまくかみ合っている部分だ。
砦で忘れてはいけないのが、犬の存在。
特定のサイドミッションをクリアーすることで砦内に犬小屋が設置され、バギーに乗って外出する際に同乗させられるようになる。
この犬は、マックス襲撃に失敗してスクロタスに捨てられたところをマックスに拾われたという骨太な過去を持つが、ただのマスコット的な存在ではない。
鳴き声や顔の向きで地雷の場所を知らせてくれる、頼もしいパートナーなのだ(地雷を除去するとその地域のスクロタス勢力の脅威が低下し、さまざまなメリットが得られる)。
欲を言えば、マグナム・オプスにも犬が乗り込めるスペースを作ってつねに行動をともにできたらうれしかったのだが、マグナム・オプスはわりと簡単に爆発炎上するので、いたしかたない。

●マックス、怒りの鉄拳
物資回収地点や敵拠点の探索時に避けては通れないのが、群れる敵との肉弾戦だ。
本作のバトルはシンプルで、基本的に攻撃とカウンターのふたつを使い分けつつ戦っていく。
このシンプルさは単調さにつながるという側面はあるものの、マックスひとりに対し大人数で襲いかかってくる敵とのバトルでは、猥雑さの回避に成功している。
ここで、本作と同じくワーナー エンターテイメント ジャパンから発売されている『バットマン:アーカム』シリーズと触り心地が少し似ていると感じたことも報告しておこう。
バトルの際に効果を発動する本作独自のシステムに、“フューリーモード”がある。
これは、バトル時に上昇していくフューリーゲージが最大まで溜まることで発動する、ブチ切れ状態のようなもの。
発動中はしばらくのあいだ、画面がうっすらぼやけ、攻撃の威力がアップ。
攻撃が大振りになるというデメリットはあるが、敵のガードを突き崩し、ドロップキックやパワースラムをぶちかます怒りっぷりには爽快感すら覚える。

バトルと言えば、マックスのトレードマークでもあるショットガンも重要な要素(本来持っていたソードオフ・ショットガンは物語冒頭で奪われたため、現在は死体から手に入れたDIY精神溢れるものを使っている)。
弾薬が入手しづらいので使いどころを考える必要はあるが、最強クラスまでカスタマイズすると、一発撃つごとに轟音とともに銃口付近で爆発が起こる化け物じみたシロモノができあがる。
さらに、マックス自身のカスタマイズでスキルを習得すれば、くの字に折った相手の腹にショットガンを押しつけ、そのままぶっ放すといったイカすアクションも使えるようになるのだからたまらない。
トレードマークと言いながら、映画版では意外にも活躍の機会の少ないショットガンを、弾薬の制限があるとは言え、プレイヤーの思うがままに撃ちまくれるのは、ゲームならではの要素だ。

敵拠点のなかには、“トップドッグ”と呼ばれるボス級の敵がいるものがある。
トップドッグはどいつもこいつも『マッドマックス2』のヒューマンガステイストな見た目をしているばかりか、登場のたびにプチ演説をかましてくれたりと、何とも熱い存在。
さすがに「俺様は失望したぞ」とまでは言ってくれないが、どれもなかなか聞きごたえがあるので楽しみにしておくといい。
ちなみに、敵の殲滅や、すべての燃料タンクの破壊など、拠点ごとに設定された目標を達成すると、敵拠点が解放されて勝手に住民たちが住みつくようになる。
昔から神話的と言われる『マッドマックス』シリーズだが、本作にこのような国創り神話的要素があるのは非常に興味深い。

●戦いの果てに心に残るものは?
数多の敵を退け、いくつもの出会いと別れをくり返し、ときにはふたりで入ってひとりで出たりとストーリーミッションを進めていくと、マックスは最終決戦へとこぎつける。
映画版ではじつはマックス自身とボスクラスの敵との対決らしい対決が描かれることはあまりないのだが(ここがジョージ・ミラーのすごいところでもある)、プレイヤーが介在するゲームでは話は別。
想像を絶するようなラストバトルが待ち受けている、とだけ言っておこう。
で、この熾烈を極める戦いの後にマックスとプレイヤーの心に残るものは果たして何なのか?それはぜひ実際に本作をプレイして確かめていただきたい。
なお、本作は映画のみならず『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚を描いているコミックからもネタを拾っている部分がある。
興味のある方は読んでみるといいだろう。

最後に、この場を借りて個人的な要望を込めた提案をひとつ。
本作の追加DLCとして安原義人、柴田恭平、ジョニー大倉などの吹き替えデータを配信するというのはいかがですかね、ワーナーさん?
■筆者紹介
メスカブト森田
くたばるときはフューリー・ロードで派手に散りたいフリーライター。
昨年開催された『マッドマックス』のファンイベント、マッドマックス・コンベンション2014と今年のマッドマックス・コンベンション2015でカンダリーニ(ポール・ジョンストーン)と目が合って興奮したが、いまは「あれは自分ではなく地平線を見ていたのでは……?」という疑念が払拭できない。


Mad Max (C) 2015 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Avalanche Studios. All other trademarks and copyrights are the property of their respective owners. All rights reserved. Mad Max and all related elements are trademarks of and (C) Warner Bros. Entertainment Inc. WB GAMES LOGO, WBIE LOGO, WB SHIELD: (TM) & (C) Warner Bros. Entertainment Inc. (s15)


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『MotoGP 15』プレイインプレッション ~現実を超えた驚異のリアルGPワールド~

 【01//2015】

『MotoGP 15』プレイインプレッション ~現実を超えた驚異のリアルGPワールド~


●すべてが本物。
世界最高峰のバイクレースの世界を丸ごと体感!
インターグローから2015年10月1日に発売される『MotoGP 15』は、世界最高峰のバイクレースと呼ばれるMotoGP(モトジーピー)を徹底的に再現したレーシングゲームだ。
そのプレイインプレッションをお届けする。

本稿をお読みいただいている読者諸兄には説明は不要かもしれないが、もしかしたら「MotoGPって何?」と思われるかたもいることだろう。
MotoGPとは、1949年より60年以上続くロードレース(バイクレースのこと)世界選手権のことだ。
かつてはWGP(World Grand Prix)の通称で呼ばれており、2002年からはMotoGPと名を改めて開催されている。
四輪レースのトップカテゴリー、F1に相当するもの……というとそのすごさをより感じられることだろう。

本作はMotoGPを運営する団体、ドルナスポーツ社より公認を受けた“公式”のゲーム。
登場するライダー、サーキット、マシン名にいたるまですべて実在のものを収録しており、レギュレーションも忠実に再現されている。
さらに注目すべきは、現在開催中の2015年シーズンのデータをいち早く収録しているという点。
現在、バレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソによるチャンピオン争いまっただ中の2015年シーズン。
発売日から数日後の2015年10月9日~11日には栃木県のツインリンクもてぎで日本グランプリも開催されるのだが、このレースも今年の仕様のライダー&チームで、現実よりも先にゲームで体験できるのだ。
収録ライダー&チームは、2015シーズンの3クラス(MotoGP、Moto2、Moto3)、2014シーズンの3クラス、WGP(2ストローク)時代のレジェンドライダー。
DLCでの追加配信もあるぞ(詳しくは後述)。

本稿では現実に肉薄するリアルな世界と、モンスターマシンを操る愉楽が堪能できる本作のポイントをじっくり紹介していこう。

なお、今回のレビューは4コマまんが付きの特別編!バイクレース情報誌“ライディングスポーツ”誌で好評連載中のMotoGPまんが“藤原らんかの4コマ劇場”を併せてお届けする。
シーンの最前線で活躍するあのトップライダー(をもとにした人たち)が、もし『MotoGP15』をプレイしたら、どんな騒動が起こるのか!?ファミ通.com史上初のバイクレースコンテンツをお楽しみあれ!

イラストレーター&MotoGPまんが家。
今回掲載した4コマまんがの本編は“ライディングスポーツ”誌(発行オフィスとらくしょん)で好評連載中。
単行本は現在2巻まで発売されている。
脱力系ギャグと強烈なデフォルメの作風はワン・アンド・オンリーの世界。
2013年、2014年には日本グランプリ公式ポスターのイラストも手がけており、日本のMANGA流に描かれたMotoGPライダーが海外のスポーツメディアでも話題になった。
いっぽうで、レトロアーケードゲームフリークの顔も持つ。
80年代のナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)ゲームが大好き。
Twitterアカウントは@fujiran

※このまんがはフィクションにつき、実在のチームや選手と関係ありません。

●日本では8年ぶりとなるシリーズ最新作。
進化が詰まった一作。
MotoGPの公式ゲームが日本でリリースされるのは、2007年発売の『MotoGP07』以来、じつに8年振りのこと。
日本のMotoGP&ゲームファンはずいぶん待ったことになる。
もちろんその間の年月に相当する進化はもちろんあるわけで、その筆頭に挙げられるのはプレイステーション4、Xbox Oneの現行世代機のスペックをフルに活かした高精彩なグラフィックだろう。
現行世代機が獲得した“フォトリアル”な世界表現。
テレビ中継やサーキットで観る映像と同等の映像のもとで、走りが体験できるのはただただ驚くしかない。
詳しくは後述するが、この映像で“遊ぶ”機能もかなり充実しているのは、さすがといったところ。

そして、もうひとつの進化は“走り”について。
本作の制作を手掛けるのはこれまで数多くのバイクレースゲームを作ってきたイタリアの開発会社“Milestone”(マイルストーン)社。
バイクレースゲームファンならば、2015年6月に発売された『RIDE(ライド)』が記憶に新しいところだろう。
いわば、バイクレースゲームを知り尽くした開発会社だけあって、走りの表現もかなりのこだわりぶりが見られる。
現代のレースゲームには必須ともいえる、高度な物理演算を通じた挙動表現はもちろん本作でも健在。
ただし市販バイクを対象にした『RIDE』と違って、本作で操るバイクはエンジン出力250馬力以上、最低重量157キログラムという超絶スペックのマシンだ。
そのまま再現したのではとてもゲームで操作はできないことは想像に難くない(現実のマシンも普通の二輪ライダーにはとても操れないだろう)。
そこは、豊富な開発経験によるチューニングが光るところ。
モンスターマシンを操る難しさと、ゲームとしての楽しさをうまく両立させていると感じた。

●あらゆるMotoGP好きに対応した操作と補正項目
……こう書くと、もしかしたら「バイクの知識やレースゲーム慣れしていないと難しそう」と思ってしまう人もいるかもしれない。
しかし本作ではスタンダード、セミプロ、プロという3つの操作モードや補正項目が用意されており、初心者からレースゲームのベテランまで納得の“操る楽しさ”が選べるので安心してほしい。

レースのクラスを問わず、筆者のオススメする操作モードはまず“スタンダード”でひととおりのサーキットを走ってから、“セミプロ”に変更する流れだ。

“スタンダード”ではサーキットのレイアウト、理想の走行ライン(画面表示の有無が選べる)、ブレーキ&加速ポイントを覚えて“コーナーの気持ちいい進みかた”が身につくまで走ろう。
コーナーが近づくと自動で減速する“オートブレーキ”などの便利機能も積極的に使うべし!
“セミプロ”はちょっと操作がシビアになり、反応が若干鋭くなる。
転倒もしやすくなるが、それはつまり正しい走りかたが必要ということだ。
コーナーの手前ではゆっくり確実に減速する、コーナでは急激なアクセル操作を控えて旋回に徹するといった……基本に忠実な走りがいっそう重要になる。
正しい走りかたのプロセスを身につけていくことで、走りの楽しさがわかってくるはずだ。
「うまく走れた!」という気持ちよさの積み重ねが、やがてタイムや順位となって現れてくる。

レーシングライダーがサーキットで行っている営みもこのこととまったく同じ。
基本的な動作を普通のライダーよりもはるかに高いレベルでくり返し行い、「走りの精度を高めていくこと」にほかならない。
“プロ”を選び、TCS(トラクションコントロール。
タイヤの空転を防ぐ機構)をオフにすると、それこそレーシングライダーなみの高度な操作精度が求められる。
この操作モードでうまく走れるようになれば、心が昂ぶり、アドレナリンが出まくること必至(?)。
ほかの操作モードでは物足りなさも感じてくることだろう。

2015年シーズンは不死鳥のごとくよみがえり、ポイントランキング1位を死守する(2015年9月開催の第14戦アラゴンGP終了時点)バレンティーノ・ロッシ。
このイタリアの“絶対王者”は、女性好きとしても有名。
スレンダーな美女を連れて歩く姿はパドックの名物にもなっている?
●カレンダーのカスタマイズも可能な“選手権”モード
さて、ゲームの基本的な部分の解説ばかりが続いてしまった。
以下からは、本作を構成するゲームモードについて見ていこう。
単にチャンピオンを目指すだけにとどまらない、MotoGPの“最先端”と“歴史“を楽しみ尽くす豊富なモードが用意されているのだ。

まずは選手権モードから。
このモードは1年を通じて行われるロードレース世界選手権に参戦して上位を目指し、総合ポイントを競うというものだ。
この分野のゲームでは最も基本となるモードなので、ここは必要以上の説明はいらないだろう。
ユニークなのは、選手権の構成をプレイヤーが任意に決められること。
順番もラウンド数も自由自在だ。
“名門サーキットを走りつくしたい”、“西ヨーロッパ地域の縛りで”、“自分の得意なサーキットだけ”といった、特定のテーマによるオリジナル選手権もおもしろいだろう。

●「もしもこうなったら……」がプレイで体験できる“リアルイベント2014”
レプソル・ホンダの若きエース、マルク・マルケスが年間13勝という圧倒的成績でチャンピオンの座に輝いた2014年シーズンのMotoGP。
このシーズンで起きたハプニングやドラマチックな出来事を、ゲームで追体験するというのがこの“リアルイベント2014”だ。
いわば、現実のエピソードを題材にしたミッションモードというとわかりやすいだろう。

登場するイベントの一例を挙げよう。
まずは開幕戦のカタールGPを題材にしたもの。
このレースでは、レース終盤にバレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスによるサイド・バイ・サイドの争いが展開した。
実際の結果は、マルケスがロッシを抜き、そのまま開幕戦を制覇し、その後は破竹の10連勝を達成。
このミッションでは、プレイヤーはマルケスとなって、ロッシとのバトルを体験する。
1位でゴールインすれば成功だ。
ライダー=当事者となってこれらのエピソードを体験すると、実際のレースには単に速さを競う以上の“ドラマ”があることがよくわかる。
イベントに挑戦する前にはドルナスポーツ社提供の現実のレース映像も流れるのもニクい演出!
また、イベントには史実とは異なる結果を狙うものもある。
レースの世界に「もしも、あのときこうなったら……」という仮定はありえないものだが、ゲームだとそれが体験できるのもおもしろい。
リアルであってリアルでない、まさに夢の世界。

●ライダーの成長を下位カテゴリーから体験!“キャリアモード”
本作で最もアツく語りたいのが新たに搭載された“キャリアモード”だ。
これは下位カテゴリーのMoto3の新人ライダーから参戦を初めて、ライダーとしてのキャリアを重ねながら最終的には最上位のMotoGPクラスでのチャンピオンを目指すというものだ。
現実のライダーでも、いきなりMotoGPクラスのチャンピオンチームから参戦を始める人はいない。
最初は馬力の低いMoto3、Moto2クラスからデビューを果たし、結果を出して移籍や上位クラスのステップアップを繰り返してライダーとしての経験や技術を培っていく。
このモードは、その成長の過程をプレイで楽しむというものだ。

個人的には、本作のプレイはこの“キャリアモード”からぜひ始めるべきだと思っている。
というのも、このモードはプレイヤー自身が腕を磨ける絶好の場でもあるからだ。
Moto3クラスのマシンは250cc単気筒エンジンというシンプルな構成。
1000ccのエンジンかつ最先端の技術が集約されたMotoGPクラスのマシンに比べれば、ずっと扱いやすい。
MotoGPクラスでは、きちんとブレーキングをしなければ抜けられないコーナーも、Moto3マシンならスロットル全開で切り抜けられることもある。
そのように、難度が低いので少し慣れれば「上位争いの興奮」や「勝つ喜び」はわりとカンタンに得られるハズだ。

レースの世界は“結果”がすべて。
ポイントランキングの上位になれば、望む強豪チームへの移籍がしやすくなったり、他チームから移籍の誘いも届く。
また、プライベートチームを自ら運営することも可能。
上位入賞を続れば、有力スポンサーの獲得や賞金をもとに戦えるマシンの購入もできるので、順調にキャリアが進められるぞ。
自分のモーターホームを拠点にした“営業・運営”も、プロとしての大切な活動のひとつだ。
テレビ中継には映らない、現場のリアリティーがここにある。
移籍や運営というと手間が掛かりそうと思われるが、このあたりはサクサクとテンポよく進められるので、現場感を楽しみながらもちゃんとレースに集中できるのがいい。
たとえシーズン途中でもチーム移籍やクラス昇格が可能だ。

2015年シーズン、14戦アラゴンGP終了時点でロッシを14ポイント差で追うホルヘ・ロレンソ。
自身3度目のワールドチャンピオンは成るか最後まで勝負の行方はわからない。
現在ランキング3位につくライバルチーム、レプソル・ホンダのマルケスも気になるところ。

●1980年代~90年代のレースキッズ必見!伝説のライダーの存在も見逃せない!
本作のアツいのは“最新である”ことばかりではない。
グランプリの歴史で偉大な足跡を残した伝説のライダーも収録されている。
好きなライダー、サーキットを選んでレースに挑む“グランプリ”モードでは、2ストロークのチャンピオンという枠が用意されており、1980年代~90年代に活躍したライダーとマシンでレースに挑めるのだ。
フレディ・スペンサー、ワイン・ガードナー、ウェイン・レイニー、ケビン・シュワンツなどのヒーローが再びサーキットで走る姿が見られる(そして操作もできる)のは、筆者のようなアラフォーライダーには感涙モノ。
微妙に時代の異なるレジェンドライダーが一堂に会する「絶対にありえない光景」というもの注目すべきポイントだ。
若き日のバレンティーノ・ロッシまでいるのだから!
なお、本作の発売後にはDLC“4ストロークレジェンド”の配信も予定されている。
こちらは2000年代に活躍したレジェンドライダー&マシンと専用イベントが収録されているぞ。
MotoGP黎明期の“伝説”も要注目だ!
●充実のリプレイ機能。
お楽しみはレースの後にもある!
これらのモードでレースをこなした後はリプレイが始まる。
本作の“フォトリアル”が最も堪能できるシーンと言っても過言ではない。
プレイ時の視点はもちろん、テレビ中継で用いられる視点からも眺められるのはうれしい。
任意のカメラ切り替え、スロー再生、カメラ風の高精彩の描写モードなどの多彩な機能があるので、つい何度もリピートしたくなる。
迫力のシーンには見入ってしまうことだろう。
筆者のように、ドラマチックな場面を見たいために、何度も同じレースに挑んでしまうこともあるはずだ。

本作に限った話ではないのだが、レースゲームはプレイ経験を重ねるほどに楽しさが増すもの。
コースを覚えて、素早いコーナリングやベストのスロットル操作を身に付けていけば、それがおのずとタイムや結果に反映される。
トライ&エラーを通じて指先の感覚を磨いていくことこそに、レースゲームならではのアツさがあるのだ。
とはいえ、まずは難しいことは考えず、レースを気軽に楽しもう。
最初の目標はMoto3クラスの勝利だ。
最初の1勝が走る楽しさを広げてくれるに違いない。
本作では、上記の豊富なモードや、ライダーの経験値に相当する“GPポイント”(レベルが上がると新たなライダーやウェアなどが獲得できる)の仕組みが走りもモチベーションを高めることに一役買っている。
このような挑戦心を絶やさないための工夫がなされているのは高く評価したい。

プレイの合間には、MotoGPにまつわるさまざまな解説とレース映像も観ることができるので、MotoGPを知らない人も、きっとプレイを進めていく内にきっとこの世界最高峰のレースの虜になるはずだ。

■DLC1『Moto2&Moto3』
無料DLCにて、Moto2とMoto3に出場するライダーデータ23名(鈴木竜生/イェスコ・ラッフィン/シモーネ・コルシ/ランディ・クルメンナッハなど)が追加される予定です。
配信日: 2015年10月1日配信予定

2015年シーズンはアルゼンチンGP、オランダGPと2度も接触のアクシデントがあったマルケスとロッシ。
血気盛んなマルケスの勇み足とも、百戦錬磨のベテラン、ロッシが誘った巧妙な罠とも、さまざまな見方もあるようだが……。

MotoGP 15
メーカー:インターグロー
対応機種:プレイステーション4 / プレイステーション3 / Xbox One / Xbox 360
発売日:2015年10月1日発売予定
価格:プレイステーション4版とXbox One版は7800円[税抜](8424円[税込])、ダウンロード版は7222円[税抜](7800円[税込])、プレイステーション3版とXbox 360版は6800円[税抜](7344円[税込])、ダウンロード版は6296円[税抜](6800円[税込])
ジャンル:レースゲーム

MotoGPTM15 (C) 2015 Published and Developed by Milestone S.r.l. All rights reserved.
Copyright (C) 2015 Dorna Sports S.L. - All rights reserved.
Licensed and published in Japan by Intergrow Inc.
※画面は開発中のものです。


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