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“ゲームデイトナ志木 復活プロジェクト” ~リポート :支援によって新生“志木デイトナ”、再始動に向けて動き出す~

 【31//2015】

“ゲームデイトナ志木 復活プロジェクト” ~リポート :支援によって新生“志木デイトナ”、再始動に向けて動き出す~


文・取材・撮影:ライター 大瀬子ヤエ
●スポンサー募集の“その後”はどうなっている?
惜しまれつつ閉店した名門ゲームセンター“ゲームデイトナ志木”(以下、デイトナ志木)を復活させるために、インターネットを通じて一般から始動資金を集めるという、ユニークなゲーセン再建の試み、“ゲームデイトナ志木復活プロジェクト”。
2015年3月より、東京都板橋区のゲームニュートンと荒川区の西日暮里ゲームスポットバーサスが中心となり、ソーシャルスポンサーサービス“Hoobar”(フーバー)や店頭にて、スポンサーを募る活動を行っていた。
その間の活動や、ゲームファンからの反響については本連載の3回目をご覧いただきたい。

さて、その連載3回目の記事でも述べているように、2015年5月30日でHoobarを通じたスポンサー募集は締め切りを迎えた。
今回の記事では、この活動に関心を持った多くのかたが抱いているだろう「では、その後はどうなっているの?」という疑問に答えるために、いま現在の状況をお伝えしていく。
“再建”というゴールまではあと少しという状況で、現在はどこまで歩みを進んでいるのか?前回に引き続きプロジェクトの中心人物、松田泰明氏(ゲームニュートン代表)に話をうかがってみた。
(取材日2015年7月)
●9月再オープンに向けて準備中
――改めておうかがいしますが、前回の取材では、新たに会社を設立するとのお話でした。
もう志木デイトナの再始動は確定と考えていいのですね?
松田泰明氏(以下、松田)前回もお話したように、hoobarさんでの募集活動の締め切り前という段階でゴーサインを出していい段階まで額が集まったことで、新生志木デイトナを運営するための新会社の設立を決めました。
現段階ではすでに登記も済ませて、会社として始動しています。
設立はすなわち、志木デイトナを新たに運営することですから再始動は確定です。

――新会社の名前は?
松田登記上の正式名称はエヌブイシー合同会社です。
ニュートンとバーサスで“エヌブイシー”です。

――2015年3月から「みんなで作るゲーセン」をテーマに、再建のための支援金を一般のゲームファンから募っていました。
これまでの支援金総額を教えていただけないですか?
松田スポンサー募集活動を通じた金額だけですと、確定したもので360万円ほどです。
これだけのご支援をいただいたことに心から感謝いたします。
現在も企業さんなどからご支援のお声をいただいている最中ですので、最終的な金額は流動する可能性があります
――再建に向けて現在の進捗状況を教えてください。

松田先ほど述べた運営会社の設立のあと、再始動に向けての始動……具体的には前オーナーの高野さんが持つ資産の購入、新たな賃貸契約、関係方面への書類を作成などを進めています。

――始動時期はいつぐらいになりそうなのですか??
松田当初は7月、8月あたりに再オープンをする予定でした。
でも、もろもろの手続きや改装でどうしても時間がかかることが判明して、最速で9月オープンになってしまいました。

――再始動に向けて具体的にはどれだけのコストが必要になるのでしょう?もしくはどれだけすでにコストを掛けたのでしょうか?
松田まず、「みんなでつくるゲームセンター」というテーマでソーシャルスポンサーのプロジェクトを始めたのですが、目標額は再始動に最小限必要な金額ということで、当初は400万~500万円と設定していました。
始動に必要な支出についてはゲーム機の譲渡金で250万円、テナントの契約金がもろもろ含めて120万円、行政書士に委託した公的書類の手続きで50万円、基本的にゲーム機は既存のものをすべて買い取っているのですが、足らない分を新たに購入したのでその分で50万円ですね。

――実際には改装、新規の設備、スタッフのコストも必要でしょうから、本当に最低限の出費という感じですね。

松田そうなんです。
現状では足りない状況。
でも、皆さんからいただいた支援金以外にもジュース自動販売機からの収入などもあります。
それでも足りないは足りないのですが、そのぶんについてはゲームニュートンとバーサスで出しあって補います。

――ちなみに、興味で聞いてしまうのですが、ゲームセンターにあるジュースの自販機って具体的にどれくらい売れるものなのでしょうか?
松田ゲームニュートン大山店の例ですと、1台設置で、土日に店内で大会をやると1日に200本売れたりしますよ。
月の電気代は3000円ほど。
月に4、5万円稼ぐから電気代の出費はあまり痛手にはなりませんよ。

――す、すごい!基本的に店舗では設置するだけですから馬鹿にできない収入ですね。
ところで、引き続きニュートン、バーサス両店舗での支援金募集は続いているんですよね?
松田ええ。
いまでも支援に名乗り出てくださるかたがいらっしゃって、本当に嬉しい限りです。
これはゲームファンというより、ゲームのプロという立場からのお話なのですが、前回お話ししたスタジオ最前線さんといったゲーム関連の企業や、ゲーム業界に携わるかたが個人的にご支援を申し出てくださった例もあります。
業界のかたもプロジェクトに共感してくださることに、感謝すると同時に本当に心強く思います。

――着々と再建に向けては進行しているのですね。

松田そうなんですが、営業再開にはもう少しお時間をいただくことになってしまいました。
というのも、ゲームセンターという業種は風営法(後述)という法律によって、営業許可が必要な業種。
管轄する県の公安委員会に営業の申請を出す前に、ゲーム機を営業時と同じ状態で設置しなければならないんです。
いまは大掃除をしている途中なので、まだ申請が出せる段階じゃないんですよ。

――新店舗で目指していることはありますか?
松田「雰囲気のいい店作り」です。
店内を可能な限り明るくして、気軽に入れる空間にしたいんです。
喫煙対策については分煙にします。
以前は完全禁煙で、それはそれでメリットがあったのですが、ゲームによっては喫煙者の割合が多くて逆にお客さんの幅を狭めてしまうといったこともありますから。
喫煙者と非喫煙者がともに快適に過ごせる施策を考えています。

――気になるゲームのラインアップは?
松田音楽ゲームが充実していたことが志木デイトナの強みでした。
この強みはそのまま継承します。
また、小型ビデオゲーム(汎用筐体のゲーム。
対戦格闘ゲームも含む)の台数を増やします。

『beatmania IIDX 22 PENDUAL』×1台
『pop'n music ラピストリア』×1台
『SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS』×2台
『REFLEC BEAT groovin'!! Upper』×2台
『jubeat prop』×2台
『ワールドサッカー ウイニングイレブン アーケードチャンピオンシップ2014』×4台
『スティールクロニクル Victroopers』×4台
『クイズマジックアカデミー暁の鐘』×8台
『麻雀格闘倶楽部 彩の華』×8台
ブラウン管&液晶汎用筐体(=小型ビデオゲーム)×およそ20台
――以前、録画や配信環境を充実させるとのお話もお聞きしました。

松田音楽ゲームや汎用筐体で録画、配信ができる環境を整えます。
現在、皆さんのご期待に添えるようにきちんとした環境を構築中です。
店舗面積が広いですから、対戦格闘ゲームの大きな大会も可能。
さまざまなイベントの配信に対応しますよ。
詳細はもう少しお待ちください。

――なるほど。
いよいよ新生志木デイトナの姿が具体的になってきましたね。
開店日が楽しみですね。

松田ご支援いただいたかたに向けて、ビッグフラッグやTシャツの準備も進めています。
新生志木デイトナのプレオープン日には、1万円以上のご支援いただいたかたを招待したイベントを開く予定です。
皆さんへのお礼の場として、全台フリープレイにしますよ。
正式なアナウンスを後日いたしますので、それまで楽しみにして待っていてください!
●ゲームセンター営業に必須の“ふたつの許可”
このように、ゲームセンターの再始動、もう少し突っ込んでいうならば体制を一新した“実質の新規開店”はあともう少し……という状況なのだが、ここで「ゲームセンターという商売を始めるには具体的に何が必要なのだろう?」と関心を持つ読者もいるのではないだろうか?ゲームファンにはおなじみの空間が生まれる過程が追えるのは、そうそうない体験。
松田氏にこの疑問をぶつけてみたところ、とにもかくにも営業の大前提として、まずはふたつの“許可”を得なくてはすべての話が始まらないとの返答が帰ってきた。

・テナントのオーナー、不動産会社、保証会社の許可
テナント賃貸契約を結んだといってもどんな業種の店舗が営業できるとは限らない。
オーナーの理解がまず大前提。
詳しくは後述するが、ゲームセンターが風営法という法律のもとで管理される認可業ということも絡む。
後述する営業許可の申請の際に、オーナーが同意している証明が必須条件となっているからだ。

・都道府県の公安委員会が交付する営業許可
ゲームセンターの営業は、“風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律”、通称“風営法”のもとで管理されており、地元の公安委員会に営業許可を申請、許可を得ることによってはじめて営業ができる。
風営法では店舗の立地、ゲーム機の設置レイアウト(営業店舗面積に対するゲーム機の占める面積の割合)、照明の照度から、営業時間などが厳しく管理される、
申請をした後、提出した書類通りに店内が構築されているかどうかを調べる現地検査が実施され、問題なければ数週間の時間を経て公安委員会から営業許可が発行される。
ちなみに志木デイトナのある埼玉県では申請から許可が下りるまではおよそ50日という。

もちろん、これらは書類、手続き上で最低限必要なものであって、実際の営業には筐体の購入と設置、人員の確保、電気類配線の工事……といった“ヒトとモノ”がなければならない。
今回の志木デイトナ再始動の例では、既存の店舗を改装、前オーナーが所有する筐体を格安で購入、テナントオーナーの理解という条件があるぶん、冒頭のインタビュー部で述べた金額で収まっているということは改めて記しておきたい。

●改装作業中の店内を訪問
2015年7月某日、再始動に向けて改装作業が始まったという志木デイトナを訪問した。
ほとんどの筐体は前オーナーから購入したもので店内にそのまま設置されているとあって、そんなに改装の手間はかからなそうに思えるのだが、電気、LAN配線の再構築、照明器具や壁紙の刷新、看板の発注、新たな導入した筐体のスペース確保などなど……やらなければ“宿題”は山盛りとのこと。
ニュートンとバーサス両店のスタッフが、日常業務の合間に定期的に集まり、文字通り自分たちの手で改装作業を行っている。

次回記事では、改装前と改装後を比較した“ビフォアアフター”(?)の写真をお届けする予定。
乞うご期待!


Category: ゲームニュースまとめ

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