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世界でいちばん人を巻き込める、いちばんゲーム漬けになれるゲーム機。任天堂のふたりのキーマンに訊く開発秘話

 【02//2017】

 世界でいちばん人を巻き込める、いちばんゲーム漬けになれるゲーム機。任天堂のふたりのキーマンに訊く開発秘話


インタビュアー:週刊ファミ通 編集長:林克彦(Twitter:@Famitsu_Hayashi)、文・取材:編集部 世界三大三代川
●3つのスタイルを持つ新ハードは、いかに生まれたのか
2015年3月に、岩田聡前社長から発表された、NX(開発コードネーム)。
それから2年後の3月3日。
NXはNintendo Switchという名称で、ついに発売を迎えた。
据え置き機でありながら、携帯ゲーム機のように外へ持ち出せる特徴を持った新ハードは、いかに開発されたのか。
任天堂の取締役であり、ソフト開発の全般を監修する高橋伸也氏と、Nintendo Switchの総合プロデューサーを務める小泉歓晃氏、インタビューの数日前まで、プロモーションで海外へ出張されていたというおふたりに、Nintendo Switchへ込めた想い、開発秘話をうかがった。

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■プロフィール
・写真右
取締役 常務執行役員 企画制作本部長
高橋伸也氏(文中は高橋)
デザイン関連の業務を歴任。
『脳を鍛える大人のDSトレーニング』のプロデューサーなどを経て、現在は任天堂のソフト開発全般を監修している。

・写真左
Nintendo Switch総合プロデューサー
小泉歓晃氏(文中は小泉)
『スーパーマリオ』シリーズのプロデューサーとディレクターを歴任。
最新作は、2017年冬発売予定の『スーパーマリオ オデッセイ』。

●当初から目指したものは“みんな集まって遊ぶ”
――おふたりのNintendo Switchへの関わりかた、そして、いかに開発がスタートしたのかをお聞きできますか?
高橋Nintendo Switchの開発がスタートしたとき、NXというコードネームもないころですが、その当時は、岩田前社長(故・岩田聡氏。
元代表取締役社長)と、竹田(竹田玄洋氏。
代表取締役技術フェロー)、宮本(宮本茂氏。
代表取締役クリエイティブフェロー)、そして私とで話し合って、この4人で新ハードの全体を見るということで始まりました。
その話し合いの中で、誰が中心になってやっていくのか、という話になり、小泉を呼んだんです。

――皆さんでお話をされたのは、いつごろだったのでしょうか?
高橋いまから3年くらい前ですね。
新ハードについて本格的に動き出す際に、つぎのハードはどうしようかと話し合うのですが、任天堂はつねに新しいものを考えているので、いろいろな材料が揃っているわけです。
そういった材料がある中で、方向性を話し合いつつ、中心人物を誰にすべきかということも、ほぼ同時進行で決めていきました。

――そこで、小泉さんが参加されると。

小泉そのころ、僕は東京制作部にいたんですが、ある日突然、京都に来いと言われまして。
そこで岩田前社長から「河本(河本浩一氏。
Nintendo Switchの総合ディレクター)とコンビを組んでくれ」と言われました。
当時言われたことをよく覚えているんですが、「いちばん任天堂っぽくない人を選んだ」と(笑)。

――えっ(笑)。
それはどういう意味だったのでしょうか?
高橋私と小泉はふたりとも、もともとはデザインの仕事を中心にしていて、20年くらい前、ニンテンドウ 64のころから、よくふたりでいろいろな話をしていたんですね。
彼は『スーパーマリオ64』を、私は『ウエーブレース64』を作りながらニンテンドウ 64を立ち上げて、その後、小泉は東京へ行くことになるんですが、それからもずっとつながりがあって、彼のことはよく知っていたんです。
それで、今回、新しいことをするには、彼がいちばん適しているなと考えまして。
というのも、彼は『スーパーマリオ』シリーズをずっと作っていたんですが、彼のマリオは何かと無茶なことをするんですよ(笑)。

小泉『スーパーマリオ』シリーズの中で新しいことをする担当なので、そういう意味なのだろうなと思いました(笑)。

――チャレンジングなソフトを作ってきた実績や姿勢から選ばれたと。

高橋そうですね。
それで、河本は『脳トレ』(『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』)を作ったりと、彼もいろいろと新しいことをやってきた人間なので、彼にも加わってもらって。
ただ、そのふたりの組み合わせはいままでまったくなかったんです。
ふたりは面識もなかったくらいで。

小泉僕は東京制作部で据え置き機を中心に担当していましたし、河本は携帯機を中心に担当していたので、それぞれのミッションが違って、あまり交流する機会がなかったんですよ。
それが、ある日突然引き合わされたんです。

――それで、小泉さんと河本さんが入られて、より具体的なコンセプトなどを決めていくわけですね。
小泉さんは、最初にその話をお聞きしたときはどう思われましたか?
小泉東京にいながらも、“新ハードでつぎに何をすべきか”という議論には、わりと参加していましたし、岩田前社長がよく東京に来て話をしてくれていたので、京都で「新ハードの開発に携わってほしい」という話を聞いたときは、うれしかったと同時に、指名してもらったからには、身を入れてやらないといけないな、と責任を感じました。
でも、あまり明確に「こういうものを作りなさい」とは言われないんですよ。
こういう状況があるけれど、「どうするべきだと思う?」と言われて。
そこで、初めて会った河本と、「いまの世の中にはどんなものが必要だろう?」という大きなテーマから話を始めました。
たとえば、「Wii Uがあって、世間にはスマートデバイスもあって」という、わりと広い範囲で、いろいろなことを議論したうえで、いま僕らはどんなものを作るべきなのか、ということを詰めていったんです。
その中で、いろいろと出てきたイメージを、ハードウェアとして、デバイスとして整理していく、という仕事を3年のあいだにしていきました。

――任天堂にとっての強みや、逆に弱点となる部分など、いろいろなことを考えながらコンセプトを決めていったと思うのですが、その過程もお聞かせください。

小泉最初から変わらなかったのは、“みんなで集まって遊ぶ”ということですね。
これはやはり、我々のアイデンティティーだと。
あと、どういったゲーム機になるかという話の中で、当時から言っていたのは、「知らない人が来ても巻き込めるものを作ろう」ということでした。
Nintendo Switchには、プレゼンテーションでもお話をした“おすそわけ”というキーワードがありますが、この言葉は早い段階から出ていました。
ただ、どうおすそわけをするのか、でずーっと悩んでいたんです。
どこにでも持っていけるということと、知らない人も巻き込めるようにする。
この2点について、どうすれば実現できるか、わりと長期間にわたって濃く話していましたね。

――巻き込むための方法論というイメージでしょうか。

小泉僕はずっと据え置きゲーム機をメインにゲームを作って来ましたし、楽しんでいただけるゲームを作ってきたつもりでいるんですが、据え置きゲーム機だと、ゲームを作っても人に伝えにくいということを痛感していて。
人に見せる環境の困難さと言うか、障壁の存在を感じてはいたんですよ。
ゲームを見せたり、いっしょに遊んだりしたくても、家に呼ばないといけなかったり、テレビを用意しないといけなかったり。
それが、携帯ゲーム機やスマートデバイスであれば持ち運びができて、気軽に誰かに見せたりできるんですよね。
そういった部分のよさを取り込みたい。
ただ、そういったイメージを考えても、据え置き機をそのまま外に持ち出すことは、これまで実現できていませんでしたし、簡単にできることではなかったんです。

――簡単ではないですよね。

小泉でも、僕も河本もじつは欲張りで(笑)。
おもしろいことを人に伝えることがすごく好きで、それで喜んでいただける姿を見たくて仕事をしてきているので、それを実現するにはどうすればいいのか?というところを、かなり貪欲に考えてきました。

高橋そういった盛り込みたい機能、実現すべきキーワードがいくつも出る中で、ニンテンドー3DSで皆さんが集まってよく遊ばれていたローカル通信のマルチプレイなどを、据え置き機にどう活かしていくのかと考えて、キーワードの実現につなげていきましたね。

――“みんなで集まって遊ぶ”というのは、ファミコンのころから変わっていない任天堂のアイデンティティですよね。

高橋ファミコンのころと言うより、もっと前からですね。
花札とかトランプとか(笑)。

小泉開発初期の、原型がいまとまったく違うころから、河本と「相手の目を見て遊ぶゲームって作れないのかな?」と言っていたんですよ。
最終的に『1-2-Switch』がそういうゲームになりましたが、これは突然出てきたコンセプトではなくて、ずっと叶えたかった遊びかたなんです。
“トランプでは相手の目を見て遊ぶことができていたのに、なぜゲーム機にはできないのか”ということをよく話していました。
うちは、もともとかるたやトランプを作ってきた会社ですし、早い時期からそういうテーマを強く持っていましたね。

――ビデオゲーム機の遊びを見つめ直した、と。
そういったテーマに関して、岩田前社長から指示などはあったのでしょうか?
高橋いえ、揃った材料に対して“この材料を何とかする”というのが我々のミッションでした。
岩田前社長は技術者で、私や小泉はデザイン畑の出身なので、いろいろと技術的な部分で助けてくれましたが、とくに「こうしなさい」、「ああしなさい」という強い指示はなかったですね。

小泉そうですね。
我々はデザイナーらしく「こんな世界だったらいいな」ということをイメージして伝える仕事をしていました。
言ってしまえば、夢想家なんですよね。
それを技術に落とすところで、できることとできそうにないことについて、コストも、そもそもの実現性も含めて、多くの助言をもらいました。

高橋宮本、竹田も同じような役割で、我々が「こういう感じで進めたい」と言って、決裁を得るというよりは、そこでいろいろディスカッションをしてアイデアを揉んでいく、という流れでした。

――Nintendo Switchは、家で遊んでいた続きをどこでも遊べるというのが大きな魅力ですが、この機能もその過程で決まっていったのでしょうか?
高橋そうですね。

小泉「テレビにつながっていたところから、パッと外して、両脇にコントローラーを付けて、持ち運べるようにしよう」と言うのは簡単だけど、それをどうやって実現するのかと。
技術側のスタッフから「それを実現するのは、これとこれをしないといけない」と、いろいろ言われつつ、模索していきました。

――入れたい機能と、技術的にできるギリギリのところを実現できるように話し合っていくんですね。
実際に、画面の切り換えを体感すると、インパクトがすごいですよね。
ドックから本体を抜いた瞬間に画面に映っていますし。

高橋そういう設計をしていて、仕様がわかっている我々も、初めて見たときは「おぉ!」、「すごいやん!」となりました(笑)。

小泉「すごいなぁ!」と言うけど、これを作ろうと言ったのは自分たちだという(笑)。
実現できると信じて作ってはいたんですが、実際に目にしたときにはいい意味で驚きがありましたし、達成できたこともうれしかったですね。

高橋あの驚きは、みんなが同じように感じましたね。

小泉それを目の当たりして、「Nintendo Switchとはこういうものなんだ」、「こういうことをしたかったんだ」と、会社全体で初めて像を結べた気がしました。

――テレビにも映し出せるし、外にも持ち出せるという機能について、これをやらなければならないと決めた理由について教えていただけますか?
小泉いろいろな理由や想いがあったんですが、そのひとつが、先ほどもお話ししました、僕らが作ったものを広めたい、見せたいということ。
あと、ゲームを遊ぶのに環境に縛られたくない人もいると思うんです。
ファミ通さんの読者さんには、ゲームを好まれる方がたくさんいらっしゃると思いますが、ゲーマーの夢として、どんな環境でも遊べて、その状況に適したいちばんいい映像、プレイスタイルで楽しめるものがあったらうれしいんじゃないかと思っていて。
それを実現できれば、「これはいい!」と心に刺さる方はたくさんいるだろうと思いましたし、そもそも我々にも刺さるので(笑)、それを作りたいと思いました。

――『ゼルダ』を家で遊んで、たとえば今日の取材のように、2時間の新幹線移動(編注:取材は京都で行われた)のあいだも続きができるというのは、本当にうれしい(笑)。

小泉僕も東京から京都に新幹線で通っているんですけど、移動中に座席の前にあるテーブルを下げて、ここに本体を乗せられたらいいなと思っていたんですよ。
それで、スタンドを付けてくれとお願いしたんです。
移動中に『ゼルダ』を遊んで、スタンドを畳んでカバンにしまって、会社でも遊んで。
ずっとゲーム漬けになる(笑)。

一同(笑)。

小泉実際に、Nintendo Switchの開発時には、“世界でいちばん人を巻き込めるゲーム機を作ろう”ということと、“世界でいちばんゲーム漬けになるゲーム機を作ろう”というふたつのテーマをスタッフに説明していました。

高橋あくまで“ゲーム機”なんです。
大事なのは、どれだけゲームが遊びやすいか。

――Nintendo Switchは据え置き機と明言されていますが、据え置き機と携帯ゲーム機のハイブリッドモデルというアピールもできると思います。
そういった言いかたをせず、据え置き機と明言している理由についてお聞かせください。

高橋基本は据え置き機であってほしいんです。
まずは自宅で遊んで、それが持ち出せるということ。
あくまで、ベースとして置かれるのはテレビの前だと思っています。

●ふたつのJoy-Conに込めた想い
――Joy-Conには、さまざまな遊びのもととなる機能があります。
こういった機能の取捨選択は、任天堂がずっと挑戦してきたところだと思いますが、今回の機能を採用した意図などをお聞かせください。

高橋最初にお話をしたように、まずいろいろな材料となる要素や技術があるんですが、その材料を単体で判断するのではなく、その機能を使ってどう遊んでもらえるか、楽しんでもらえるかを中心にいろいろと考えた結果、HD振動やモーションIRカメラ、NFCリーダー/ライターが“残った”というイメージです。

――その取捨選択は、各機能をゲームに転換したときにどれだけおもしろくなるか、という先を見据えた判断になるわけですよね。

高橋そうですね。
だから、ハードの開発チームは「これ使うんですか?本当に使うんですか!?決めてください!」と詰め寄ってくる(笑)。

――ハード設計に関わりますからね(笑)。
最終的に残ったものは、おふたりにとってもゲームを作るうえであったほうがいいもの、必要なものになったということでしょうか。

小泉そうですね。
『1-2-Switch』で、いろいろな機能を使ったゲームを提案させていただいていますが、もちろんそれ以外の使いかたもあります。
これくらいの遊びの幅が生み出せるのであれば入れよう、と判断をしました。
持ち運べてふたりで遊べるゲーム機というサイズを考えると、何でもかんでも本体に入れようということはできませんので、新しさはこのJoy-Conに詰め込もうと。

――Joy-Conはサイズが小さいですよね。

小泉あんなに機能を詰め込んで、このサイズ、この軽さになるとは、僕らも驚きました。
小さく小さくと、しつこくこだわった結果で、言ってみれば夢が詰まっている。

――先ほど小泉さんがお話されていましたが、ゲームのおすそわけには小さいほうがよさそうです。

小泉はい。
コントローラーをポンと渡せないと。
重いものをドンと渡されると、「おぉ……」とちょっと印象が変わってしまうでしょうし。
できあがった結果ですが、「こうなったらいいな」という目指したものが実現できたと思います。

――DSや3DS、Wii Uなど、近年の任天堂のハードは、2画面で遊びを多様化させるものが多かったと思いますが、Nintendo Switchでは採用していません。
今回も2画面に対応すべきだというお話もあったのではないでしょうか。

小泉テレビで遊んでいるものを持ち出すという、つまり画面を外に持ち出すという考えかたですと、テレビは2画面ではないので、1画面で遊ぶゲームを外に持ち出すというシンプルな発想で、当初から1画面を想定していました。
それこそ、“新しいものを作る”、“いままであるものを引きずらない”というテーマもあって、そこは強い意志で決めました。

高橋もちろん、2画面を引き継がないのかという声はあったんですが、最終的には1画面で行こうということになりました。

――据え置き機としてひとつ前の世代にあたるWii Uは、結果的に短命なハードになってしまったと思うのですが、Wii Uというハードをどうとらえているのか、また、Nintendo SwitchはWii Uを踏まえてどういう戦略を取るのかをお聞きでいますか。

高橋Wii Uが、というよりは、花札やトランプから始まっていろいろな娯楽の道具を作ってきた任天堂として、いままで出してきたハードのいいところをどう入れ込むか、いろいろな方にいかに喜んでいただくかを考えた末が、このNintendo Switchだと思っています。
Wii Uの反省すべきところとしては、我々がうまく、もっとお客様に喜んでいただけるものを継続的に作れなかったという部分があるかもしれません。
ただ、そこだけを考えるのではなく、新しいところにそれこそスイッチをし、Wii Uの流れではない、全体の流れを考えた結果として、このNintendo Switchを作っています。

――たしかにNintendo Switchには、これまでの任天堂ハードのいろいろな特徴的なところが、集大成のように入っていて、かつ新しいものになっていると思います。

小泉Wii Uだけでなく、全体を見わたしたときに、どうあるべきなのかを見直しています。
たとえば、ニンテンドウ 64以降は、同梱のコントローラーがひとつになりましたが、コントローラーがひとつになると、開発者としては、ひとりで遊べるゲームを考えるのが基本になってきます。
もちろん、コントローラーを単体で追加販売させていただきますし、みんなで遊ぶゲームも作るんですが、別途購入していただかなければいけないということもあって、先ほどの、ゲームをみんなで遊ぶ際の障壁にもなっていたのではないかと思うんです。
僕は、Wii Uで『スーパーマリオ 3Dワールド』のような、多人数で遊べるゲームを作りましたが、付属のコントローラーは、Wii U GamePadひとつでしたから、どうしてもひとり用のプレイありきで、そのつぎにマルチプレイ、の順番になってしまう。
Nintendo Switchはそういうところを見直して、まず“ふたりで遊べるということを前提にしたゲーム機にするべきではないか?”と考えて、コントローラーを2個付けるという点に、強くこだわったんです。

高橋ファミコン、スーパーファミコンの時代にあった、コントローラーがふたつ付いているという点をもう一度やりたくて、それをしっかり見直した結果ですね。

――任天堂のハードは、以前から単純なマシンスペックは追求せず、新しい遊びを実現するためのバランスなどを重視されていますが、一方で、他社のゲーム機やPCといった競合ハードの性能も鑑みた部分はあるのでしょうか?
高橋大事なのはNintendo Switchのコンセプトを実現することで、TVモードからテーブルモード、携帯モードにスイッチしたときにどうなるのか、という点ですね。
テレビに映して遊ぶときに十分に満足できるグラフィックが見られて、かつ、携帯したときにもある程度満足できるくらいの時間が遊べる。
その両方を実現できる、いい塩梅を模索した結果を実現するのがもっとも重要なポイントですので、他社の据え置き機とは、だいぶ考えかたが違うのではないでしょうか。

――たしかにそうですね。
テレビでの表示を突き詰めた据え置き機にすると、外に持ち出したときに30分しかし遊べない、といったことにもなりかねないでしょうし。

高橋30分も持たないかもしれません(笑)。

――逆に、持ち出したときのバッテリーを重視しすぎて、クオリティーが落ちたもの表示しても意味がないと、そのバランスを取りながら提供できる、上のレベルを目指したものが現在の形ということなんですね。

高橋そうですね。
お客様がもっとも楽しんでいただける、満足していただけるところはどこかという点を模索するのは、これまでの任天堂の娯楽製品を作る考えかたの中心ですから。

――なるほど。
そして、Nintendo Switchという名称ですが、据え置き機としてはWiiからWii Uという流れがあった中、この名称になった経緯をお聞きできますか?相当な議論があったのではないかと思うのですが。

高橋これは、本当にいろいろな話し合いをしました。

小泉まず前提として岩田前社長から「新しくしてほしい」という話がありましたから、名称についても最初からWiiやWii U、DSや3DSとは違うものにして、名称だけでなくゲーム機としても、いままでのハードから大きく変わらなければいけないという考えがありました。

高橋ゲームを作る側の考えかたもね。

小泉はい。
そういう意味で、さまざまなものを変えていく。
たとえば開発環境や開発体制、開発者の頭の中も含めて、過去と変えていかなければいけないということをつねに考えていて。
意味合いとしては、“チェンジ”にも近いのですが、変えるというよりは、切り換えるという“スイッチ”のほうが合っているのではないかと思って、さまざまな候補の中から“スイッチ”を選んだんです。

高橋それはもうすごい量で、何千っていう候補を出したんです。

――千単位ですか!その候補は、いろいろな人がアイデアを持ち寄ったのでしょうか?
小泉どんな名前がいいだろう、どういう名前ならみんなが理解してくれるだろうと考えつつ、「新しいハードは、こういうゲーム機だ」ということを伝えて、いろいろな関係者から名前を募集しました。
それで何千という候補が出たんです。

高橋結果として“スイッチ”という、意味のある名称になりました。
Wiiのような造語ではなく。
そこからもスイッチですね(笑)。

――最終的な名称は、満場一致での決定だったのでしょうか?
高橋それが、いろいろな意見が出ましたね(笑)。

小泉説明をすると「そのままやん」と(笑)。

高橋でも、最終的には、海外のスタッフにも違和感がないか確認をして、新ハードで新しく変えていく、遊びをスイッチするという意志を伝える意味も含めて、この名称に決めました。

――WiiやWii Uにはいろいろなチャンネルや、『Miiverse』などの内蔵ソフトウェアが入っていましたが、今回は本体のメニューまわりがとてもシンプルになっているように感じました。
こちらは、どのように決めていったのでしょうか?
小泉Nintendo Switchはあくまでゲーム機、ゲームを遊ぶ道具ですから、河本と、ずっと“サクサク”というキーワードを言い続けていました。
本体メニューもできるだけシンプルにして、パッとゲームが立ち上がって、パッと遊べるというのを実現しなければいけないと。
カセットを差したらすぐにゲームが遊べた時代に比べると、どうしてもいまは時間がかかってしまうので、カセット時代には敵わないかもしれませんが、そういうことを念頭に入れて開発していました。

――たしかにWii Uは起動に時間がかかって、起動時間の短縮やクイックメニューの導入といったアップデートがありましたね。
僕らは、まだ製品版を触れてはいないのですが、かなり早くゲームが起動できるのでしょうか?
高橋起動にはとてもこだわったのでもちろん早いんですが、そもそも基本的に電源を切らないスタイルのマシンになりますね。

小泉ドックに入れている状態はもちろん、携帯モードでも、プレイをしないときはスリープ状態にできるようになっていますので、家で『ブレス オブ ザ ワイルド』(『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』)を遊んで、スリープ状態にして持ち出して、外出先でもすぐにプレイできるんですよ。
スマートフォンや携帯ゲーム機では当たり前なんですが、あの『ゼルダ』が家でも外でもサクサクできるというのは、ちょっと感動します(笑)。

高橋先週、先々週と海外出張で2週間不在にしていたんですが、そのあいだ、机の上にNintendo Switchをスリープ状態で放っておいてしまったんですね。
でも、会社に戻ってきたら、まだ電池が残っていました(笑)。

――それはすごい。
一方で、今回は『Miiverse』などのコミュニティー要素がはなくなっていますが、SNSを活用することになるのでしょうか?Miiそのものは残っていますが。

高橋よくMiiがいなくなったと言われるんですが、Miiはちゃんといますし、使っています。

小泉自分のアバターが、Mii以外にも選べるようになって、選択肢が増えました。
『Miiverse』を代表するユーザーさんのコミュニティーを常設する仕組みに関しては、今後さまざまなゲームで必要になってくると思いますが、そのときにはまた違った形で実現すると思っています。

――もしかすると、スマートフォンと連携するかもしれないし、何らかの別の方法を企画、検討されているという認識でよろしいでしょうか?
小泉そうですね。

――今回、オンラインサービスなど、スマートフォンとの連携を利用する場面が多いように感じます。
もちろん、いまの時代に則したものだと思いますが、これを重視しているのはなぜなのでしょうか?
高橋やはり、スマートフォンは皆さんが持っていますし、とても便利なものですので、ケンカするわけではなく、仲良くしておきたいなと。
我々も『スーパーマリオ ラン』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』を出していますし。
Nintendo Switchとの関係としては、いかにスマートフォンを便利に使えるかというところに焦点を置いています。
ですので、ゲームに直接関係があるというよりは、ゲームの補助的な部分でどう使っていただくか、それは既存のアプリでいいのか、我々が新しいものを提供するのかといったところをいろいろ考えています。

――なるほど。
TwitterやFacebookなどのSNSとの連携はいかがでしょうか?
小泉Nintendo Switchの基本機能としてスクリーンショットが撮れるので、それをTwitterやFacebookに投稿できるサービスは初めからやろうと思っています。
専用のハッシュタグが付いて投稿できるように考えていまして、そういった写真や感想などの投稿の仕組みとSNSはとても親和性が高いと思いますので、ソーシャルメディアとも仲良くやろうと。

――今後のアップデートで、キャプチャーボタンで動画の撮影ができるようになるということですが、どれくらいの時間を撮影できるのか、またそれをユーザーにどう活用してもらうことを想定しているのかについて、お聞きできますか。

小泉動画の長さや、どこに投稿できるのか、といった詳細についてはもうちょっとお待ちください。
動画の対応は検討して進めていますので、改めて発表します。

――楽しみにしています。
今後、本体のアップデートで、現在発表されている以外の機能が追加されることはあるのでしょうか?
高橋もちろん、あります。
我々が考えているロードマップもありますし、ユーザーさんの声を受けて入れるものもあるかもしれない。
そこは、これまでのハードと同じと思っていただければ。

――アップデートと言えば、バーチャルコンソールの展開も気になりますが……。

高橋現時点ではまだ確定していないことも多いので、また決まり次第、お話ししたいと思います。
もちろん、いろいろ考えていますのでお待ちください。

――また、今後の展開としては秋からオンラインサービスの有料化が予定されています。
いまの時代として、当然の流れだとは思いますが、改めて有料化することになった理由と、そのうえでどういったサービスが展開されるのかをお教えください。

高橋有料化の理由としましては、遊んでくださるお客様に満足していただくためのことを考えておりますので、それを実現するためにある程度の費用をいただいて作っていく、ということですね。
そういったこれまでにないサービスの運営もありますし、快適に安定したプレイ、およびプレイの補助をするためというのも大きな理由です。
サービスの具体的な内容については、2017年秋のサービス開始までに準備を進めて、もう少し後にお知らせをさせていただく予定です。

――個人的に意外だったのですが、スマートデバイス向けのアプリを展開していて、Nintendo SwitchのCPUなどを見る限り、Nintendo Switchでもスマートデバイスのアプリを遊べるようにするか、連携などをするのではないかと思っていました。

高橋スマートデバイス向けのアプリとの連携という意味では、検討を続けています。
ただ、スマートデバイスのアプリは、やはりスマートデバイスだからできる遊びを考えたいと思っていますので、それをそのままNintendo Switchに移植するということはないと思います。
たとえば『スーパーマリオ ラン』は、宮本がずっと片手で遊ぶパフォーマンスをしていましたが、やはりスマートデバイスはスマートデバイスだからこそ楽しめる設計を突き詰めていますし、Nintendo Switchはコントローラーがあるので、それにふさわしいものを突き詰めていくことになります。

――ちなみに、一部の報道で、君島社長(君島達己氏。
代表取締役社長)が、「VRへの対応も視野に入れている」ということをお話されていましたが、現在検討しているということなのでしょうか?
高橋VRの報道は、どこかで違った解釈をされているように思います。
Nintendo SwitchでVRに対応すると言っているわけではなくて、当然ながら我々はつねにVRなどの最新技術も研究していますし、我々の考える、お客さんに楽しんでもらえて、周囲の人もいっしょに楽しんでもらえるようなVRがちゃんと提案できるのであれば、それを形にします。
……というお話をしていると思います。

――なるほど。
現在の任天堂のスタンスと変わらず、ということですね。

高橋はい。

●おふたりのオススメソフト。
そして、今後の戦略は?
――今回、Nintendo Switchを立ち上げるにあたって、社内の組織などに変更はあったのでしょうか?
高橋一昨年の秋に社内の組織変更はあったのですが、Nintendo Switchの開発とは直接は関係ないですね。
宮本が本部長を務めていた情報開発本部と、以前岩田前社長が見ていて、その後私が引き継いだ企画開発本部というふたつのソフト開発系部署が、企画制作本部というひとつの部署にまとまったんですよ。
また、ハード系、システム系の開発をしていた本部も、技術開発本部という部署でひとつになって、技術共有や人の割り振りをしやすくするための環境を整えていたので、Nintendo Switchにもいい影響は出ていると思いますが、Nintendo Switchのためというわけではありません。

小泉そもそも、Nintendo Switchのプロジェクトが、部署を横断したプロジェクトですので。
ソフト開発側からもハード開発側からも、Nintendo Switchという新ハードを作るという命題のために、とくに若いスタッフに集まってもらいました。
僕と河本はソフト開発者ですので、ハードやシステム開発の若い専門家たちに助けてもらいつつ、ソフト開発者たちの意見を聞きながらNintendo Switchをまとめていきました。
みんなが一丸となってひとつのハードを作れる体制になっています。

――そこに若手の方を多く入れられた意図というのは?
高橋若返りもありますが、若い人の意見をしっかり採り入れるためですね。

小泉ひとつのチャンスでもありますから。
プラットフォームを立ち上げるというのはすごく大きな仕事ですので、そこでどういう役割を担えるのかというのは若い人たちにとって、ものすごくいい経験になると思うんです。
それを若いうちに経験してもらうために、意図的に入れている部分はあります。

高橋今回は、デザインも含めていままでとイメージを変えるようにしていますので、そういうときに、若手に「いままでと違いますね」と言ってもらえるか、意見を求めることもあります。

――ああ、なるほど。
たしかに、Nintendo Switchは、とても洗練されたおしゃれさがありますよね。
これまでがおしゃれじゃないというわけではなく(笑)。

高橋その言葉を待っていました(笑)。
担当者も喜ぶと思います。

――ティザーの映像やプロモーション展開など、トータルの見せかたがこれまでの任天堂とは違う雰囲気に感じました。

高橋それは、だいぶこだわりました。
小泉も含めて、プロモーションも変えようという意識を持っていましたので、Nintendo Switch本体のパッケージデザインも、何回か従来のイメージを踏襲したものが出てきたのですが、「違う」と練り直してもらいましたね。

小泉昔と違って、いまの時代は「任天堂の商品は多くの方に知っていただいている」ということはないと思っているんです。
ですので、自分たちがどういったことをしたいのかを、きちんと伝わる形で伝えていかないと届かない、とスタッフにも強く言っていて。
先ほどの、おもしろいゲームを作っても届かないということと同じで、このゲーム機そのものが、皆さんに任天堂を知っていただくための道具であるようにするにはどうしたらいいのか?を考えて、形にしました。
見栄えもそうですが、写真の使いかたや、どういった人たちに買っていただくのかというところも含めて、かなり意識してひとつひとつのものを選んでいますね。

――ちなみに、今回のNintendo Switchは、発表のプレゼンテーションを日本で行いましたよね。
最近は海外重視の発表会が多い中で、日本で発表会をされた手応えや反響についておうかがいできますか?
高橋日本であれだけの発表会をするのは最近ではなかったんですが、E3で発表すると、どうしても日本にどれだけ伝わっているかがわかりづらい部分があるんですね。
もちろん、アメリカでやることも大事ですし、今回はアメリカに宮本と青沼(青沼英二氏。
『ゼルダの伝説』シリーズのプロデューサー)が行ってイベントなどを行いましたが、いろいろなところでやることが大事だなと感じました。
あと、やはり日本の皆さんに実際に触りに来ていただいて、家族の方が『1-2-Switch』を遊んでくださって、お子さんが遊んでいるのを、親御さんが楽しそうな目で写真を撮ったりとか、そういうところを見ると、やはり早い時期に直に触ってもらう機会を作るのはいいことだと、改めて思いましたね。

小泉Nintendo Switchは極秘で作っていたので、社内モニターはたくさんしたのですが、事前にさまざまな人に遊んでもらえる機会は本当に少なかったんですよ。
それで、一般のお客さんにどう刺さるのかが、我々はすごく心配していたところで。
日本の体験会をはじめ、ヨーロッパやアメリカなどを回って、触っていただいている人たちの目を見てきたんですが、どの国も全部いっしょだったんです。
日本よりも海外の方たちのほうが、わかりやすく盛り上がっていただけることが多いんですが、今回は日本の皆さんも同じ目をしていたので、地球を1周回って、ようやく手応えを確認できましたね。

高橋『ゼルダ』は気に入っていただけると思っていましたし、『スプラトゥーン2』もとくに日本で反響があるでしょうし、『ARMS』も行けるだろうとは思っていて、実際にその通りの反応があったんですが、『1-2-Switch』と『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、どういう反応が来るのかと、けっこうドキドキワクワクしていたので、とてもいい反応をいただけてホッとしました。

小泉作っている側はいいと思っていても、実際の反応はそうじゃないもの、お客さんには届かないものってありますよね。
今回は、そういったものもちゃんと届けることが仕事だったので、届かなかったらどうしようとドキドキしていたんですが、ちゃんと届いたことを確認して日本に帰ってこれたので、とてもよかったです。

――家族や大勢の人で『1-2-Switch』を遊んでいる人たちは、みんな目がキラキラしますよね。

小泉大人も子どもたちも、ものすごい真剣に。

高橋乳しぼりを必死でやって、画面を見ずに相手の顔を見ますから。

――“ガンマン”をやるときは、相手の目をそらせなくなります(笑)。

小泉それで負けたらものすごく悔しがって。
そういった、いわゆる原初に近いゲームの遊びかた、遊ばれかたができていたので、よかったですね。

――今回のローンチ(本体発売日)は、任天堂タイトルに絞ると『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』と『1-2-Switch』の2本になっていますが(編注:インタビュー取材の後日、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』が2017年3月3日配信に決定した)、この2本にした理由は?
高橋ローンチの日は2本なんですが、4月には『マリオカート8 デラックス』が出ますし、その後には『ARMS』や『スプラトゥーン2』、『スーパーマリオ オデッセイ』などがあります。
また、発表していないものも多くありまして、そういったものを含めて、タイトルの発売をローンチという点だけではなく、ラインで考えているんです。
そのラインは当然1年ではなくて、2年、3年のあいだに何をどう出していくかを考えていまして、それを考えたうえで今回のローンチを選びました。
現在発表済みのもの以外にも、ひねったものもありますし、王道も出していきます。

――任天堂ハードの最大の魅力は、任天堂のゲームが遊べることでもあると思います。
だからこそ、Wii Uのときはなかなかソフトが出ずに、ユーザーのニーズに応えきれなかった時期もあると思うのですが、今回のソフト戦略について、いまお話しいただいた短期の戦略ではなく、その先も踏まえてお聞きできますか?
小泉自社のソフトはもちろんですが、今回はとくに、このゲーム機で動くソフトメーカーさんのタイトルも含めて、我々はいったいいつ何を出すべきなのか、という戦略を考えています。
ですので、自分たちが作るものだけではなく、ソフトメーカーさん、そしてインディーのゲームも含めて、どの時期にどう出せばどう魅力的に見えるのか、ということをひとつのラインに並べて考えるようにしているんですね。

――なるほど。
では、自社も他社も含めてフラットに考えると。

小泉はい。
お客さんからすると、任天堂のゲームも楽しんでくださると思いますが、それ以外にもいろいろと好みがたくさんあるでしょうし。
そもそもこのゲーム機は使う人の好みに合わせられるゲーム機ですので、毎月毎月皆さんの好みに合う新しいタイトルが、任天堂のものでも、他社さんのものでも出てくるようにしたいと思ってやってきました。
我々の本分であるタイトルはもちろん作っているんですが、ソフトメーカーさんと協力してゲームを用意する部門のメンバーとつねに情報を密にして、ソフト戦略について話をしています。

――それは、これまでのWiiや、Wii U以上にソフトを増やしていきたいと。

高橋それはもちろん。
ですので、開発ツールも含めて考えていまして、最初からUnityを使えるようにして、Unreal Engine 4もそうですが、かなり初期から意見をいただきながら対応していきました。
だから、初期から『いっしょにチョキッと スニッパーズ』のようなゲームもできているんです。

――あのゲームはいいですよね。
インディーらしい独特の発想で、おもしろい。

高橋手前味噌で申しわけないのですが、いいでしょう(笑)。
『スニッパーズ』はイギリスのチームで開発をしていまして、最初は5、6人で作り出しているはずです。
小泉彼らには、最初はJoy-Conのことを開示していなくて。
だけど、あのふたりで協力するという遊びはあったんですよね。

高橋そうそう。
最初はPCで動いたんです。

小泉ですので、彼らにJoy-Conを見せて、「こんなものがあるんだ!」、「すごく合っているんだ」という話をして。
インディーレーベルさんの中には、いろいろな奇抜なアイデアで、すごくおもしろいユニークなものを作っている方々がいますが、ぜひこの環境を使って、さらにユニークなものにしてもらいたいなと思っています。
その好例として、現状で『スニッパーズ』が出るのはうれしいですね。

――リビングで遊んだら盛り上がりますよね。
ただ、インディーの若い開発の方や、少人数でやっている方からすると、任天堂という名前に敷居の高さを感じる方も多いと思うのですが。

高橋じつは高くないということを、ちゃんと伝えていきたいですし、そういったことを伝える施策も今後やっていきたいと思います。
開発キットもそんなに高価ではないですから。

――また、ほかのハードでも出ているものがNintendo Switchでも遊べる、Nintendo Switchで出ているものがほかのハードでも遊べるといったマルチプラットフォームのタイトルも、これまでよりは増える可能性があるのでしょうか?
高橋そうですね。
マルチプラットフォームでも、Nintendo Switchではローカル通信のマルチ対応などができますので、おすそわけも含めて、そういった部分に反応していただけるとうれしいですね。

小泉純粋にテレビの前から離れて遊ぶことができるという体験だけでも、同じゲームでもだいぶ違うと思うんですよ。
どこにでも持って行けますから。

――いま、いろいろなタイトルの開発が進んでいる中で、おふたりから見て「これはいいよ」というゲームをぜひ教えていただきたいです。

高橋いろいろありますよ。
ただ、いまは言えません(笑)。

小泉皆さんがご覧になっていないものはまだ言えないのですが、ただ、すごいものを作っているチームはたくさんありますね。
お見せしている中では、『スーパーマリオ オデッセイ』です。
これも手前味噌ですが(笑)。

高橋小泉は、ここからモード変わりますから。
Nintendo Switchのプロデューサーから、『スーパーマリオ』のプロデューサーに(笑)。

一同(笑)
小泉『オデッセイ』では「振り切ってみよう」という話をしていて、Nintendo Switchならではというものでもありますが、久しぶりに箱庭に戻ったこともあって。
映像を観ていただければわかると思いますが、かなりハチャメチャなゲームになっています。

高橋HD振動もいいよね。

小泉はい。
いっぱい使っています。

――そうなんですね。
そこは映像ではわからないので気になりますね。

小泉そうなんですよね。
そこを伝えるのは難しい。

高橋このゲーム機はいろいろな使いかたがあって、端的には『1-2-Switch』でお伝えしていますが、ゲームらしいゲームの中で、画面を見ながら感じるHD振動は、またちょっと違うんです。

小泉リアリティーが段違いに変わってくるので、早くお見せしたいところなんですが……。
それがオススメです!
――マリオがあそこまで外に出たことはなかったと思うので、PVはかなり衝撃的でした。

高橋小泉のマリオはいつでもめちゃくちゃしますからね(笑)。

一同(笑)。

――高橋さんのおすすめのゲームはどうでしょう?
高橋ちょっと立場上、特定のものだけを挙げづらいのですが(笑)、いま言うのであれば『ゼルダの伝説』と『1-2-Switch』です。
まったく系統の違う2本を、発売日にすぐに外でも遊べますから。

――ゲームファンには『ゼルダ』、みんなで遊ぶなら『1-2-Switch』ですよね。

高橋『1-2-Switch』はいろいろな方と仲良くしたいときや、どこか飲みに行ったときにぜひ。

小泉これは、お酒を飲んでも遊べるようにシンプルに作られていますので(笑)。

――それは盛り上がりますね(笑)。
僕らゲームファンからしたら、最初から『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』が出るというのはうれしいですね。
今回、『ブレス オブ ザ ワイルド』は、うちの編集者が「『ゼルダ』シリーズで歴代最高」と言っていました。

高橋今回の『ゼルダ』は歯応えがありますから。

小泉あれは、遊び尽くすとなると、年単位でかかるんじゃないかと思います(笑)。

――子どもの遊びすぎが心配な親御さんには、“みまもりSwitch”の機能もありますからね。

高橋はい。
規制するのではなくて、親子でちゃんとお話しして。
イベントなどで“みまもりSwitch”の映像を流していると、お子さんがお母さんに「こういう機能があるから買って」と言っているのも聞こえてくるんですよね。
お母さんもちゃんと反応してくれますから。
「あ、そんなのあるの?」って。
ぜひ、強制的に切るのではなく、話し合ってほしいですが(笑)。

――あの機能は、子を持つ親にはうれしいアイデアだと思います。

高橋“みまもりSwitch”の基本的なアイデアはDSのときくらいにあって、ずっと話をしていたんですが、やっと形になりました。
お母さんに嫌われないという位置を作るための一環ですね。

――では最後に、Nintendo Switchを楽しみにしているゲームファンの皆さんにメッセージをお願いします。

高橋『1-2-Switch』をたくさんの人と、いろいろなところで楽しんでいただけることを期待しています。
『ゼルダ』は、発売日からどこへでも持って行けますし、たとえ発売日に出張が決まったとしても、出張先で遊べますから。
そういう楽しみかたも含めて、いつでもどこでも楽しめるのが、Nintendo Switchです。
ぜひ遊んでください。

小泉このプロジェクトに取り組んできていちばん達成したかったもののひとつに、“ゲームを愛している方々がゲームを遊ぶ時間をたくさん作れるようにする”ということがありました。
これを我慢しないとゲームを遊べない、ということを極力減らしたくて、それができたと思いますので、ゲームをたくさん楽しんでいただきたいなと思いますし、できたらそれを外に持ち出して、宣伝していただきたいですね。
本体の背後に大きなロゴがあって、裏から見てもNintendo Switchで遊んでいるとわかりますから(笑)。
ゲームファンの皆さんに、家で、外でたくさん遊んでいただいて、まわりの人に「ゲームっておもしろいよね」ということを広めていただきたい、お願いしたいと思っています。

――家だけでなく、積極的に外で。

小泉はい。
私たちはこれからたくさんゲームを作っていきますし、ソフトメーカーさんのゲームもたくさん出てきますので、それを遊んでいる姿を家の中だけではなく、外でも見せていただいて、いろいろな人がどこででも、おもしろいゲームに出会える場を作ってほしいですね。

――ありがとうございました!


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