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「Oh, What a Kusoge!!」日本の名だたるクソゲーを紹介する企画にアメリカのハードコアゲーマーたちが熱狂した夜

 【11//2017】

「Oh, What a Kusoge!!」日本の名だたるクソゲーを紹介する企画にアメリカのハードコアゲーマーたちが熱狂した夜 


文・取材・撮影:編集部 ミル☆吉村
現在ボストンで開催中のゲームイベントPAX EASTは、大手からインディーまで無数にあるゲームを出展スペースで遊べるだけでなく、アナログゲームの物販やプレイコーナーもあったり、最新ゲームからレトロゲームまでさまざまなゲーム大会が開かれていたり、さらにコンサートや大小さまざまな講演も行われる、ゲーマーのための総合イベント。

そしてPAXで行われる講演は、GDCなどの業界向けのイベントとは違い、基準がかなりフリーダム。
ファン向けの新作発表やサイン会などもあるが、「ライターとして就職するには」とか「ゲーマー親としての子育て」とか「(配信などにまつわる)ネットいじめの対処法」なんてものもあって、ゲーマー視点で面白かったり興味深ければなんでもテーマになりうる。

初日のラストのひとつとして行われたHeidi Kemps氏による“Kusoge! More of Japan’s Awesomely Awful Videogames”は、その名の通り、日本のクソゲーがテーマで、その由来に始まり、実演付きでクソゲーを紹介していくという内容。
朝から吹雪いた日の午後10時スタートという、普通はホテルに帰りたがるだろう悪条件ながら、そこは全米からコア中のコアゲーマーが集まるPAXということで、スキモノ諸氏が集まり、極東の島国からもたらされた概念“Kusoge”を堪能した。

●しょっぱなからパーフェクトクローザーを投入
日本の代表的なアレなタイトルを紹介していくという講演の性質上、それを改めて日本語で紹介し直しても皆さん既知の内容だと思うので、それぞれのアレぶりの詳細は省略させて頂くとして、本稿ではどんな感じに講演が進んでいったのかをお伝えしようと思う。

さて開幕早々、どんなゲームが紹介されるのかと思いきや、オープニングはいきなり『メジャーWii パーフェクトクローザー』の動画が流れ、首がネジ切れるだろう投球フォームなどの無茶な挙動にいきなり会場は爆笑。
おお、メジャーの国で受けているッ……!それにしても、試合開始と同時にクローザーというこの矛盾。

そしてメジャーに通用する豪速球(またはビーンボール)で掴みはオーケーとなった所で、クソゲーの語の構造、みうらじゅん発祥という歴史解説、無茶なゲームデザイン・破綻した内容・笑ってしまうようなバグといった代表的な特徴の紹介など、「Kusogeとは何か」がしっかりと解説されていく。

そしてビデオを交えつつ、おなじみの代表的作品が紹介されていく。
『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』や『星をみるひと』といった歴史に燦然と輝くクラシックから、『四八(仮)』などの比較的最近の作品もフォロー。
『デスクリムゾン』では話題になった後のプレミア化、『スペランカー』では「スペランカー先生」のヒット、そして“クソゲーオブザイヤー”の登場など、ゲーム内容だけでなく社会現象もちゃんとおさえているのが好印象だ。

もちろん、海外事情に詳しい人などはご存知かと思うが、アメリカは広く、日本人でも軽く引くレベルで日本のゲームが好きだったりする人がたくさんいるし、コア寄りのメディアでは“Kusoge”が記事のトピックに上がることもある(Kusogeとはこういうゲームですよ、という前説つきだが)。
しかもそれぐらいの濃い人こそPAXに集まってきたりするわけで、壇上のKemps氏同様にクソゲー事情に詳しい人はそれなりにいたはず。
また『たけしの挑戦状』が紹介された際などは、人気番組「ゲームセンターCX」などを通じて知ったのだろうゲーマーから歓声が上がったりもした。

しかしリアクションを聞く限り大半の人は初見・初耳だったようだし、ここはエンターテインメントの国。
あの手この手で幅広い人を楽しませてナンボである。
というわけで導入されていたのが、聴講者からピックアップして実際に遊ばせるという実演コーナー。
プレイ後はおみやげとしてアメリカのクソゲーをくれるおまけ付きだ。

まず最初に「ジョン・カーマック(FPSの生みの親のひとりである伝説的プログラマー)が開発したPC版『スーパーマリオブラザーズ3』が製品化を断られたのは、任天堂が“とあるゲーム”のせいでPCに苦手意識を持っていたからかもしれない……」という都市伝説的な触れ込み(もちろん半分冗談)で出てきたのが、ハドソンによるPC-8801版マリオ『スーパーマリオブラザーズ Special』。
誰もが知っているマリオが、ピーキー過ぎる挙動&スクロールなしという仕様で激ムズ仕様になっているというもので、会場から選ばれたプレイヤーがなんとか障害を乗り越え、次の画面に移る度に、会場が一体となって声援を送ったのだが、案の定途中でゲームオーバー。

その後も、家庭用移植版『ラスタンサーガII』、『霊界導士』、SFC版『ウェディングピーチ』など、実際に動かしてみればどういうことなのかすぐわかる、厄介な挙動や無茶なバランスのゲームに次々と聴講者が挑み、一体となった会場の応援むなしく撃破されていく。
もちろん、「あー」とため息が出た後は拍手アンド歓声または爆笑。
それこそ「ゲームセンターCX」じゃないが、失敗体験すらも共有できる楽しさはグローバルなのだなということを再確認した。

ところで、最後は日本のゲーム市場がモバイルにシフトしつつあることを挙げて“クソゲー滅亡の危機”が唱えられたりもしたのだが、実はPAXマニアはそれはそれで別の楽しみがあることを知っている。
PAXで恒例となっている人気企画“AppJunkies Live: The Worst Games Ever Made”は、まさにモバイルのクソゲー、つまりクソゲームアプリを延々と紹介していくという内容なのだが、そこで紹介されるほとんどが、アメリカ人には理解不能すぎる、とにかく国内のランキング上位に入るのだけを目指した日本の一発ネタアプリ(主にTVネタやドメスティックな下ネタ系)だらけになりつつあるからだ。


Category: ゲームニュースまとめ

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