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UI/UX設計は「おもてなし」と「コミュニケーションスキル」が大切―サイバーエージェント「UIUX Lab 」代表・鷲山優作氏が語る

 【03//2017】

  UI/UX設計は「おもてなし」と「コミュニケーションスキル」が大切―サイバーエージェント「UIUX Lab 」代表・鷲山優作氏が語る


ヒューマンアカデミーは秋葉原校にて、サイバーエージェントのスマートフォン向けゲームに最適なUI/UXを研究する専門組織「UIUX Lab」代表・鷲山優作氏を迎え、ゲーム業界を目指す方々へ向けたUI/UXセミナーを実施しました。
UIUXLabでは、ゲームニクス提唱者のサイトウアキヒロ氏がアドバイザーをしています。
「ゲームニクス」とは、ゲームにおける「人を夢中にするノウハウ」を他分野でも活用することで、5つのノウハウを提唱しています。
このノウハウをもとに、UIUX Labでは日々スマートフォンゲームに最適なUIUXを考えているそうです。


本セミナーはUI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)をテーマに、まずはUI設計の基本思想を、そして同社が手がけたタイトルを実例に挙げて良いUI・悪いUIを解説し、最後に参加者全員によるワークショップという3つのポイントで進行しました。

◆UI/UX設計には「おもてなし」の思想が大切
UI/UXの設計において大切なのは、ズバリ「おもてなし」。
ゲームの絶対条件はストレスを与えること、それゆえにゲーム以外の部分でストレスを与えることはあってはならないと鷲山氏は語ります。
ユーザーがどんな動作をするか 、どこにストレスを感じるか、どう迷うか、これらを先回りして考え、やらされている感を抱かせぬよう提示してあげる、つまり「さりげないおもてなしと和の心」が大切だと鷲山氏。

さらに鷲山氏はゲームニクスの5つのノウハウをもとにUI/UX設計「5か条」を提示しました。
1.直感的で快適なインターフェイス、2.マニュアル不要のユーザビリティ、3.はまる演出、4.段階的な学習効果、5.リアルとバーチャルのリンクUI設計の場において「直感的」という言葉をよく耳にします。
しかしいまいちピンとこないのではないでしょうか。
そこで鷲山氏は4つのヒントを提示しました。

最初のヒントは「直感的であるということはどういうことか?」。
対象システムに対して心の中でとらえる「メンタルモデル」と、実際にそのシステムに触れて認識される「概念モデル」が同じであれば直感的であると言えます。
2つ目のヒントは「ボタンの役割を固定する」。
これはゲーム以外のストレスを緩和することにも繋がります。

3つ目のヒントは「本当のストレスはどれか」。
鷲山氏は人間工学研究による心的消耗を踏まえ、認知の段階でユーザーを悩ませないことが大切だと語ります。
例えば階層を減らせば操作が減ると考えがちですが、一画面に多くの情報を提示し操作を悩ませてしまったら結局ユーザーに負荷をかけることになってしまいます。

最後のヒントは「デバイスを知る」。
家庭用ゲームはコントローラーを想定したUIであり、スマートフォンゲームは指でのタッチを想定したデザインであること。
それぞれのデバイスに合ったUI設計をすることが大切です。
また機種によって親指の届く範囲が異なる点など、デバイスやプレイ環境に注意した設計が必要であると語ります。

◆『ポコロンダンジョンズ』を事例にした成功と失敗
基本を踏まえ、ポイント2では同社設計の『ポコロンダンジョンズ(以下『ポコダン』)を事例に、成功例と失敗例を解説しました。

まずは成功例から。
『ポコダン』は企画→モック制作→ユーザーテスト&レビューを3~5日の短いスパンで回し、徐々に改善することで新しいパズルゲームを作り出すことに成功したと語ります。

プロトタイプ初期段階は思いついたアイデアをそのまま形に。
UI/UXを考慮し段階を踏みながらブラッシュアップされてきた様子がわかります。

「一番重要な部分の確認を大切にした結果、よいパズルゲームが完成した」と鷲山氏。
しかしインゲームを大切にしすぎたあまり、アウトゲーム(クエスト以外のところ)を軽視してしまったと振り返ります。

当初『ポコダン』はクエストでどんな報酬が得られるのか、推奨レベルはどのくらいかなどの情報が開示されておらず、クエストに対するモチベーションを維持させることができなかったとのこと。
改善したことでクエスト周回率が上がり、大敗して辞める流れが減ったそうです。
「これこそがおもてなしに通じる」と分析します。

「ゲームにとってのUI/UXとは何か?」について、鷲山氏は「ゲームUIはゲームの思想そのものである」と明言します。
これを使えば大丈夫、という正解はなく、各プロダクトでしっかりテストし、最適解をみつける冒険をしようと締めくくりました。

◆縦のUIを横にするには…?参加者によるワークショップ
最後は実践編です。
参加者は4~5人のグループに分けられ、『ポコダン』を横画面でつくる際のコンテンツワイヤーフレームを作成します。

各グループにはUIUX Labのメンバーがつき、コンテンツワイヤーフレームの作り方について説明を聞きながら実践していきます。

まずは現状の『ポコダン』をプレイし、画面の中にどのような要素があるか、
各自で洗い出しを行います。
次に要素を持ち寄り、同じ属性のものやまとめられるものを整理し、色分けして付箋に書き出します。
最後に画用紙を画面に見立て、どの位置に何を持っていくか、付箋を使いながら議論します。

縦幅が狭くなった分パズル領域をいかに確保するか、その他の要素をどこに盛り込むか、また、横持ちの場合の親指の稼働区域に頭を悩ませていたようです。

約60分のワークショップの後、各グループの発表が行われました。
あるグループは上に要素を置かずパズルエリアを広く確保し、あるグループはメニュー項目を一つにまとめタップで表示させる仕様にし、またあるグループはキャラクターとブロックの進行方向を変更していました。
「左から右に動く仕様に変えることでキャラクターの横顔がユーザーに見えるようにしたい」と説明するグループもあり、さりげない「おもてなし」の心を感じさせます。

鷲山氏は、「各グループとも要素のグルーピングはしっかりできている」とし、「現段階では正解も間違いもない。
ここから実際に動かして触って確認するフローになります」とコメント。

「敵は上、味方は下」という慣れ親しんだ仕様を元に味方のHPゲージを下に配置したグループ。
「自分が遊んでいるゲームや世の中で当たり前になっているルールなどを参考に考えることも大切」と鷲山氏。

ワークショップの最後に、「UI/UX設計にはコミュニケーションスキルが必要であることを体感してもらうことでした」と語る鷲山氏。
「伝える力」、そして「相手の思いを引き出す力」がよりよいUI/UXを作り出す力になる。
参加者は実体験を通じて感じることができたのではないでしょうか。


Category: ゲームニュースまとめ

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