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『キングダム ハーツIII』D23 Expo 2017発表内容についての野村哲也氏のインタビューを全公開

 【27//2017】

『キングダム ハーツIII』D23 Expo 2017発表内容についての野村哲也氏のインタビューを全公開


■週刊ファミ通掲載のインタビューを公開
2017年7月14~16日(現地時間)にアメリカ・アナハイムで開催されたディズニーのイベント“D23 Expo 2017”で、2018年発売のアナウンスや、『トイ・ストーリー』のワールド実装などの最新情報を公開した『キングダム ハーツIII』(以下、『KHIII』)。
ディレクターを務める野村哲也氏に、それらの発表内容や、シリーズ15周年を記念して開催されたオーケストラコンサートにてお披露目されたPV(以下、オケコンPV)についてうかがった。
さらに、同氏が携わるそのほかのタイトルについても直撃!
※本インタビューは週刊ファミ通2017年8月3日号(2017年7月20日発売)に掲載されたものです。

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■絶対に必要だった『トイ・ストーリー』
――ついに発売時期がアナウンスされました!2018年とのことですが……いつごろになりそうでしょうか?
野村さすがに続報をお待ちください(苦笑)。

――わかりました(笑)。
では、D23でお披露目されたPVや、オケコンPVの内容についてお聞きしていきます。
両PVとも、同じ文言が印象的に使われていましたが、あれにはどんな意図が?
野村あのコピーは両方のPVを編集してから入れたのですが、ソラが勢いよくダイブしたり、滑ったりするアクションから始まるので、“飛び込め”という言葉で締めたかったというのがあります。
それを踏まえ、『KH』のもともとのコンセプトに立ち返った、原点的なコピーを考えました。

――今回のPVのとくに大きなトピックは、やはり『トイ・ストーリー』のワールドの公開です。
待ち望まれていただけに、「ついに来た!」という感じですね。

野村自分としても、それこそ『KHII』のころから入れたかったワールドなので、今回ようやく実現できて、感慨深いものがあります。
『KHIII』には絶対に『トイ・ストーリー』のワールドが必要だと、交渉を重ねてきたんです。
『KH』1作目を立ち上げたときのように、関係各所に話をしてまわって……長かったですね(笑)。
ジョン・ラセター監督とも、来日されているときにお会いできて、どんなワールドの仕様を考えているのか聞かれ、入れたい要素などを伝えたりしました。

――時間軸としては、『トイ・ストーリー』の1作目にあたるのでしょうか。

野村『トイ・ストーリー』のワールドは、オリジナルのストーリーのどこかを切り取って、そこにソラたちが絡む形ではなく、2作目の後が舞台となります。
設定としてはパラレルではありません。
『トイ・ストーリー』シリーズの時間軸上に、『KHIII』での出来事も含まれることになります。

――ある意味、『トイ・ストーリー』の新作と言えるかもしれませんね。
ここではどんな物語が展開するのでしょうか。

野村冒頭部分では、ソラがこの世界で発売される最新のゲームのキャラクターに間違われてしまいます。
PVには入っていないのですが、恐竜のおもちゃであるレックスがソラを見て、そのゲームキャラクターと勘違いするんです。

――ソラが、そのキャラクターのおもちゃだと思われるんですね。
ソラたちのデザインもおもちゃ風で新鮮です。

野村『KH』チームのアートディレクターがデザインし、先方とのやり取りを重ねて、いまの形になりました。
最初は、もっとアクションフィギュアに近いデザインを希望していたのですが、先方から、より『トイ・ストーリー』の世界観にマッチしたデザインになるように、いろいろアドバイスをいただいて、現在のデザインが落としどころになりました。
このワールドが形になるまで、ストーリーや設定、キャラクターなど、『トイ・ストーリー』の各分野を担当する方々から、たくさんのご提案をいただきました。
こちらも先方もこだわりが強いので、お互いに納得のいくところに落ち着くまで、きちんと時間をかけてディスカッションしています。

――そのためか、ウッディとバズを始めとする『トイ・ストーリー』のキャラクターたちも、オリジナルのアニメ作品そのままの印象です。

野村サンプルとなるデータはいただいていたのですが、ゲームの中でここまで再現されるとは思わなかったようで、あちらのスタッフも相当驚かれていましたよ。
このように、これまでの『KH』より表現力がかなりアップしたことで、それぞれのワールドでは独自のビジュアル表現を行っていて、ギミックなども異なります。
ゲームを何本も同時に作っているようなもので、たいへんなんです(苦笑)。

――それは確かに手間が掛かりますね。
ちなみに今回、『トイ・ストーリー』をD23で公開したのには、何か理由があったのでしょうか。

野村このワールドは、わりとできあがっていて、前々からお見せできる状態ではあったのですが、ディズニーさん側の意向や宣伝プランもありますので、ここまで伏せていました。
人気の高い作品ですし、どこで発表するのがベストかを協議して、D23がふさわしいだろうと。
前回のD23で『ベイマックス』のワールドを公開しましたが、あのときは急なリクエストでイラスト1枚しかお出しできなかったので、今回は映像でご覧いただきたいと思っていました。

――その『ベイマックス』のワールドも、気になっているファンは多いと思います。
近いうちに続報はありそうでしょうか?
野村順調に進んでいますが、最後に決まったワールドということもあり、ほかと比べるとまだ先になりますね。

■変形は開発スタッフのアイデア
――バトルシーンでは、戦いかたに応じて、フォームやフィニッシュ技のコマンドが複数表示される様子を確認できました。
『KH0.2』(『KH0.2 バース バイ スリープ -フラグメンタリー パッセージ-』)に近しいシステムになっていますが、選択肢が5個同時に出てきたりと、取れる戦術がさらに広がっているようです。

野村今回のバトルでは、あれをやりたかったんです。
つねに選択肢があり、それを取捨選択しながらバトルを進めていく。
どういう順序でコンビネーションを組み立てていくかという、戦術的な楽しさがあります。
一見すると難しく思えるかもしれませんが、従来通り簡単な操作で派手な技が出ますし、適当にボタンを押しているだけでもどんどん技が変化していくので、そこは安心してほしいですね。

――キーブレードの変形が派手ですし、変形と同時に衣装(フォーム)も変わるので、画面が華やかなのも印象的です。

野村各キーブレードの特徴によって、いくつかのフォームに分類されています。
キーブレードは、これまでのように入手できるワールドごとにテイスト変えていて、もちろん特定のワールドでのみ使えるというものではなく、フォーム含め、ほかのワールドでも自由に使えます。

――『トイ・ストーリー』のキーブレードはハンマーとドリルに変形していましたが、とくにドリルのインパクトが大きかったです。

野村オケコンPVの最後にシルエットのみで見せていたのが、このドリルの変形でした。
キーブレードがどう変形するかは、すべてスタッフから出たアイデアなのですが、ドリルはまだいいほうで……。
変形のパターンはどのキーブレードもカブっておらず、突拍子のないものになったりします(笑)。

――ヘラクレスのワールドのキーブレードは盾に変形しますが、以前の情報を踏まえると、ソラはこのとき“ガードフォーム”になっているんですよね。
そのわりに、ガードしないで盾で殴っているような?
野村あれは、正式にはガードフォームではなく、“ガーディアンフォーム”になりました。
“守護者”のフォームということで、盾は攻撃にも用います。
グーフィーが盾で戦うのと同じです(笑)。
巨大な腕が出現してパンチを見舞う攻撃があったと思うんですが、あれは盾ならではと言えるカウンター技になっています。
もちろんカウンターとは別に、迫力のあるフィニッシュ技も用意していますよ。

――キーブレードは、形態によってアクションがかなり違うので、ボス戦などでは相性によって攻略のしやすさが変わりそうです。

野村ある程度の相性のよし悪しは出てくると思いますが、これでなければ倒せないとか、攻略法を限定するようなことにはなりません。
プレイヤーの好むバトルスタイルや、使いやすさで選んでいってもらえれば大丈夫です。

■遊びの詰まったワールド
――オケコンPVで見られたバトルのそのほかの要素としては、グーフィーとの連携シーンもありましたね。

野村連携は、バトル中に条件を満たすと、ボタンで発動します。
ドナルドやグーフィーとの連携だけでなく、これまで通り、各ワールドのヒーローとの連携もありますよ。
『トイ・ストーリー』のワールドだと、ウッディとバズがパーティーに入り、彼らとの連携が発動できるようになります。
パーティー編成に関しては新しいシステムになっているので、今後紹介させていただければと。

――どんな連携ができるのか、楽しみです。
『トイ・ストーリー』のワールドでは、ロボットに乗り込んで戦えるのもおもしろそうでした。

野村開発初期から「やる」とチームに伝えていた部分で、ロボットに乗り込むと急にFPSになります(笑)。
ロボットは何種類かあって、赤いロボはショルダータックルなどの直接攻撃を、紫ロボはキャノンなどの射撃をメインにしている、といった攻撃方法の違いがあります。
ちなみに、おもちゃ売り場の別のフロアに行くと、また異なるギミックが用意されています。

――あのステージは、ほかにもフロアがあるんですか?
野村今回紹介したのは『トイ・ストーリー』のワールドの序盤ですが、物語のメインの舞台はあのおもちゃ屋になります。
おもちゃ屋にはいろいろな売り場がありますよね。
あそこはロボットのおもちゃを売っているフロアなので、それに乗り込めるということです。
ここではいろいろな売り場へ行って、それぞれ異なるギミックを楽しむことができます。

――まさに、1作品でいろいろなゲームを遊べるようなものですね。
盛りだくさんすぎます!
野村いいことではあるんですが、チームがやりすぎるというか(笑)。
「このままだとダメ出しされる」と、自発的に想定の上をゆく作り込みをしてくれます。
今後の情報でも、驚いていただけると思いますよ。

――ところで、今回は『トイ・ストーリー』のワールドをお披露目されましたが、ディスニーのワールド以外で、新規のオリジナルワールドはあるのでしょうか。

野村以前のPVで、若かりしころのエラクゥスとゼアノートがチェスのようなゲームをしていた場面があったと思うのですが、あそこはオリジナルのワールドです。
今回、ディズニーのワールドの数自体は『KHII』より少なくなりますが、ワールド自体の密度は濃くなって、遊び込めるものになっています。

――このクオリティーで各ワールドに要素を詰め込むとなると、相当に濃いものになっているでしょうね。

野村キャラクターの数がものすごく多いこともあり、ストーリー的にも相当に濃いですよ。
いままでの流れから、敵も味方も登場人物が増えているので、それが一堂に会しちゃったらもう……という(苦笑)。
ひとりひと言ずつしゃべって終わり、というわけにはいかないですし。

――確かに、光の守護者と闇の探究者だけでも相当な人数が……。

野村しかもみんな、それぞれ問題を抱えていて、それをすべて解決していかないといけない(苦笑)。
旧XIII機関のメンバー絡みもありますしね……。

■『FFVII リメイク』は内製に移行中
――『KHIII』の制作を優先されるということですが、『FFVII リメイク』の制作状況も気になるところです。

野村カットシーンなど、部分的には『KHIII』より進んでいるところもあったりしますが、外注中心から内製中心の開発に切り換えている最中ということもあり、しばらく大きな情報公開はない見込みです。

――その切り換えにともなって、浜口(直樹氏。
『メビウスFF』プロジェクトリーダーなどを務める)さんがチームに入られたとか。

野村浜口はチームに入ったというか、『FFVII リメイク』の立ち上げ当初からずっと関わっていて、最初からいっしょにやっていたんですよ。
浜口はプロデューサーの北瀬(佳範氏)と同じく、『FFVII リメイク』を担当する弊社の第1ビジネス・ディビジョン(以下、BD)に所属しています。
一方で自分は、事業部であるBDには所属していません。
そのため、『FFVII リメイク』に携わる第1BDの人員を取りまとめる者が必要で、それが浜口ということです。
同じように、第3BDの人員で制作している『KH』は、Co.ディレクターとして安江(泰氏)がいる、という感じですね。
自分はBD関係なく、横断的に関わる傭兵みたいなものです(笑)。

――野村さんは多数のタイトルに携わっていらっしゃるので、そうした体制に?
野村どこかのBDに所属していると、基本的にはそのBD専任で仕事をすることになりますからね。
他社さんからの依頼含め、いろいろな仕事を受けやすい体制にしてくれたようです。

――他社のお仕事というと、最近では『ゼノブレイド2』へのキャラクターデザインでの参加が話題になりました。

野村現在、(『ゼノブレイド2』の制作を担当する)モノリスソフトにいらっしゃる高橋(哲哉)さんは、先輩であり師匠であり、自分が新人のころにかなりお世話になった方です。
そんな尊敬する先輩からの依頼はたいへん光栄なことで、断る理由はありません(笑)。
作業自体はずいぶん前に終えていますが、『ゼノブレイド2』で自分が描いたのは、“イーラ”という組織のキャラクターで、公開されているふたり以外にも数人います。
それぞれの性格や、使用する武器などの設定からイメージを膨らませ、デザインさせていただきました。

――そのほかに、仕込んでいるタイトルなどはあるのでしょうか?
野村自分がディレクションしているものはないですが、関わっているものはいくつかありますよ。
どれがいつ発表なのか、こんがらがっていますが(笑)。

――では、配信中のアプリ『KH ユニオンクロス』の今後についても少しおうかがいできればと思います。
4人目の新たなユニオンリーダーが登場しましたが……。

野村もう5人目に関するシナリオは書き終わっていて、8月の上旬に配信予定です。
ちょうどここにイラストがあるのですが、こちらがその5人目で……(イラストを見せる)。

――かわいい!
野村いい子なんですよ。
それで、こちらが新しく描いているメインイラストの下絵で……(別のイラストを見せる)。

――あれ、5人目と言っていたキャラが、メインイラストにはいないですよ?すでにユニオンリーダーとして登場している4人のほかに、見知らぬ人物と黒フードの人物がいますが……この黒フードが5人目の子ですか?
野村いえ、それは違います。
……ということで、次回のシナリオもぜひご注目ください(笑)。

――めちゃくちゃ気になるんですが!(笑)
野村『KHIII』については、また少し時間をおいて、バトルや育成要素の詳細など、システム面を含めた情報をお伝えしていければと思います。
とはいえ、2018年の発売まではまだ時間が空くので、HDリマスター版や、『KHIII』につながる要素もある『KH ユニオンクロス』をプレイしつつ、お待ちいただければ幸いです。


Category: ゲームニュースまとめ

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