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スクウェア・エニックス・グループとして“人生の応援歌となる物語を作り続ける”ことを目標に発足したスタジオイストリアを訪問!

 【27//2017】

スクウェア・エニックス・グループとして“人生の応援歌となる物語を作り続ける”ことを目標に発足したスタジオイストリアを訪問! 


●“ファミキャリ!会社探訪”第51回は、スタジオイストリア!
ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。
その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。
第51回となる今回はスタジオイストリアを訪問した。
スタジオイストリアは、スクウェア・エニックス・ホールディングスが、新規プロジェクト“Project Prelude Rune”を立ち上げ、その開発のために発足させた新スタジオ。
代表取締役には馬場英雄氏が就任し、新規IP(知的財産)の創出に向け、“Project Prelude Rune”の開発を推し進めるとともに、幅広い人材募集を行っている。
そこで今回は、この新スタジオの代表取締役の馬場英雄氏に話を聞いた。

スクウェア・エニックス・グループが新規RPGプロジェクト発表&開発スタジオ“スタジオイストリア”を発足、代表取締役は馬場英雄氏に
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●新しい選択としての新スタジオ発足
――まず、馬場さんの経歴から教えてください。
ゲーム業界に入るきっかけや志望動機、そして現在に至るまで、簡単にお答えください。
馬場英雄氏(以下、馬場)私が小学生のころにファミコンが発売されました。
当時、ゲームを遊ぶことのできる環境はゲームセンターが中心でしたので、家で簡単にゲームが遊べるということで、とても夢中になりました。
それまでの外で遊ぶことから、家の中で遊ぶ新たなエンターテインメントを見出したというか、衝撃でした。
その後、中学生になり、ファミリーベーシックを買って、見よう見まねで簡単なシューティングゲームを作ったりしていました。
当時見よう見まねで覚えた無機質に感じたプログラムが、実際に操作して遊べるようになるのがおもしろくて、ゲームを遊ぶだけではなく、作ることのおもしろさを見出しました。

――ゲームを作り始めたのも、かなり早かったのですね。
馬場そうですね。
当時はプログラムをカセットテープに記録する時代でした。
途中まで作成したプログラムを、時間をかけてテープに記録し、またつぎの日に読み込むという、いまでは考えられない手間をかけてゲームを作っていました。
「ゲームは楽しいな」と感じていた中で、『スーパーマリオブラザーズ』が発売されました。
もちろん夢中になって遊んだのですが、じつは僕はキノコがあまり好きじゃないんですよ(笑)。
だから、マリオがキノコを食べて大きくなるという発想自体がおもしろいと感じたし、そのルールを当たり前として楽しんでいることに、ゲームにのめり込めるおもしろさと、作り手の遊びの提案の思惑にハマっているのを感じていました。

――なるほど。
そのころから、着眼点がすでにゲームクリエイターだったような感じがします。
馬場分析することが好きな子どもだったのかもしれません。
『スーパーマリオブラザーズ』が出たことによって、遊びがさらに広がっていったような感覚がありました。
そういう意味でも、僕がゲームクリエイターになるきっかけの大きなポイントでした。
そして、大学1年生くらいかな……スーパーファミコンで『スーパーマリオワールド』が発売されましたが、ゲームをプレイしたとき、このゲームの完成度の異常な高さにものすごい衝撃を受けました。
秀逸なバランス調整が生み出したおもしろさに夢中になったのは言うまでもありませんよね。
もちろん、スペシャルエリアも含め、全ステージ解放しましたよ。
2周目は、フィールドの色が茶色に変わったのを覚えています。

――将来の職業として、ゲームクリエイターを目指したのはいつごろからですか?
馬場簡単なゲームを自作していましたが、じつはそこまで明確にゲームクリエイターになろうと思っていたわけではありません。
大学卒業後、改めて何をやりたいのかを考えたとき、その時点でもゲームを作って楽しんでいましたから、遊ぶ側だけではなく、ゲームを製品として作ってみたいと思うようになりました。
それでゲームメーカーを受け、入社することになりました。
前職では当初RPG志望でしたが、最初はアクションゲームのチームに配属になりました。

――外から見ていたゲーム業界の印象は、実際に入ることで変わりましたか?
馬場“地味で地道”な職場だと思いました(笑)。
ゲームを遊んでいる側は、やはり華やかなイメージを持っていると思いますが、当時は裏方的と言いますか、地道にアイデアを練ったり、黙々とドット絵を作っていたりと、コツコツと地道な作業をやっていました。
現在では、プロデューサーやディレクターが表に出るようになってきましたが、当時はそういったこともあまりありませんでした。
その後、段々と作り手の顔が見えるようになってきたので、ゲーム業界の仕事もわかりやすくなってきたと思いますが、当時は地味な環境でしたね。
別に全然イヤではなかったですけどね。

――そうして、現在のハイエンドゲーム機の時代まで、活躍してこられた馬場さんですが、新たにスタジオを立ち上げることになった経緯を教えてください。
馬場自分も40歳代半ばになり、これからあと何本ゲームを作ることができるのかと考えたとき、前職で任されていたIP(知的財産)を、引き続き多くのお客様に楽しんでいただくべくまい進する選択肢もありました。
ですが、ゼロから荒野の道を歩き始める、新しいチャレンジを選択することで、大きな分岐点になるかもしれないと思いました。
以前、“選択”をテーマに物語を作らせていただいたことがあるのですが、私からは、“人生はつねに選択のくり返し”であることをプレイヤーの皆さんに伝えたかったのです。

――なるほど。
馬場続けるか、新しいチャレンジをするか、かなり長い期間悩みましたが、最終的にはそれまでのシリーズは後輩たちに託し、自分はゼロから作っていくほうを選ぶことにしました。
ありがたいことに、いろいろな会社からお誘いもいただいたのですが、やはり自分のルーツでもあるコンシューマー(家庭用ゲーム機)にこだわりたい。
そして、RPGにもこだわりたかったので、自然とスクウェア・エニックスという会社が浮かんできたわけです(笑)。
松田(※松田洋祐氏。
スクウェア・エニックス・ホールディングス 代表取締役社長)からは、「君がうちに来るのであれば、『ドラゴンクエスト』でもない、『ファイナルファンタジー』でもない、まったく新しいIPをぜひ立ち上げてほしい」と言われました。
グループ全体としても取り組んでいきたいことであるため、ぜひやってほしいと。

――それで、新しくスタジオを立ち上げたわけですか?
馬場始めは1プロジェクトとしてスタートしていたのですが、社内の1プロジェクトとしてやるよりも、グループのなかでしっかりと新規IPを立ち上げ、事業体として進めるためには、独立した会社としてやったほうがいいだろうということになり、新しいスタジオを発足させることになりました。

●“人生の応援歌となる物語”を作り続けるスタジオに
――“スタジオイストリア”という社名は馬場さんが考えられたそうですが、社名の意味や込められた理想について教えてください。
馬場スタジオを立ち上げる際に、“人生の応援歌となる物語を提供する”という企業理念を作りました。
この理念を何よりも大事にしていく会社であるためには、必然的に物語を大事にしなければいけませんし、いままでも物語を大事にして、チームみんなで作品を作ってきました。
スタジオ発足は完全なゼロからのスタートですが、そこはブレたくないと思いました。
“イストリア”はギリシャ語で物語を表す単語で、“イストリア(物語)”を大事にするスタジオにかけて、“スタジオイストリア”と名付けました。

――現在発表されている“Project Prelude Rune”ですが、どういったゲームを目指しているのか教えてください。
馬場まずは日本人が作るRPGという、大きな考えの軸があります。
もちろん、海外は海外で多くのすばらしいRPGがありますが、日本人が得意な表現、たとえばビジュアルだけではなく、演出なども含めたアニメやマンガの表現は、日本ならではの強みにできるはずです。
僕たち日本人が現在表現できるものは何なのかを突き詰め、日本のそうした文化をバックボーンとしたコンテンツ作りをして、それを“メイド・イン・ジャパン”として世界中にお届けしたいと考えています。

――まったくの新しい環境で、新規IPを創出していくことについて、プレッシャーを感じていますか?それともやりがいを感じていますか?
馬場正直に言うと、楽しさ、そして不安、その両方があります。
喜びと言うか、ワクワクと言うか、まったく新しい顔ぶれのスタッフと、いったいどんなゲームを作ることができるのだろう。
お互いの経験やスキルを踏まえ、何を生み出すことができるのだろう。
ゼロからのスタートですから、まったく先が見えないところから、ひとつずつ石垣を積んでいくような感じですよね。
何もない場所に何かを作り上げるということについて、たまに夜ひとりで考えることがあるのですが、「エジプトのピラミッドは本当にスゴイな」と(笑)。
いまは、ゲームのベースとなる土台を作っているのですが、紀元前の時代から、人間は途方もないことをしていたのだなぁと考えることがありますね。
一方で、ゲームを作る場合、企業の方針や戦略が大前提になります。
そうでないと開発予算はいただけませんよね。
つまり、会社の戦略にのっとったコンテンツ作りが必要です。
これはどのゲームメーカーも同じで、開発チームが好き勝手なことができるわけではありません。
会社の戦略や方針と合致したうえで、コンテンツを具現化していくわけです。
そういった当たり前の会社のルールで開発を行ってきましたが、スタジオイストリアという会社は、その判断はよくも悪くも私自身で判断しなければなりませんので、方針や戦略、そして開発と、二足のわらじを履いてまい進しております。

――いままでは、ゲームクリエイターとして活動されてきたわけですが、これからはそこに会社の代表としての顔が加わります。
ある意味、相反する面があるわけですが、どのようにバランスを取っているのでしょうか?
馬場たとえば、財務関係などはまったく経験がないので、いま一生懸命勉強している最中です。
また、現在のスタッフは信頼に足る仲間ですので、まかせられることはまかせています。
ゲームの開発に関しては、今回は1作目ですから、絵作りや遊び部分(戦闘、フィールドなど)について、方針書という、この新規IPで実現したい遊びと表現の枠組みを示したものを用意しています。
迷ったり、困ったりしたらその方針書を読んで確認するようにしてもらい、もし、スタッフのほうで方針書と違うことをやりたい場合は、相談案件として提案の場を設け、その都度スタッフと協議して決めています。
それにしても、最近は数字を見る時間が一日の中でも増えました。
立ち上げたばかりの会社ですし、1作目ですから、予算面も必要以上に細かくキチンとチェックしています。
1作目からいきなり「オーバーしました」というわけにはいきませんからね(笑)。
1作目だからこそ、キチンとした成果を出して、実績を残すことが何よりも重要で、それで初めてグループからも認められると思っています。
そうなれば、2作目の予算が増えるかもしれませんからね(笑)。

――馬場さんには、人材の発掘と育成もミッションになっていると思いますが、それについてはどのような方針ですか?
馬場ゲーム業界の経験者はもちろんですが、今後の業界全体のために、それほど経験のない方も一部採用しています。
“育成枠”のような感じでしょうか(笑)。
基本的に人材募集は経験者が対象ですが、熱意があり、我々の理念に共感していただける方であれば、考慮させていただきます。
また、長いスパンでは、次世代のクリエイターを育成する必要があります。
それこそ、会社の顔となるようなスター・クリエイターの発掘・育成も、今後意識して取り組んでいきたいと思います。

●信頼と絆から新たに生み出される“Project Prelude Rune”
――どのような人といっしょに仕事をしたいとお考えですか?
馬場今回は、先日発表した“Project Prelude Rune”についての募集となります。
採用するにあたり、信頼や信用、絆、そういったものを重視したいと思っています。
それは、スタジオイストリアでチームを作るうえで、最優先に考えていることなのです。
ゲームはひとりでは作れませんし、ひとりだけががんばっても、組織としてパワーを発揮しません。
組織が一枚岩になるには、強い思いと団結心が必要です。
どんなにスキルが高くても、そういう考えかたができない方を採用することはできません。
組織作りとして、ほかのスタッフとの関係を重視したいですね。
そうした考えに共感していただき、ぜひいっしょにやりたいと思っていただける方は、スタジオイストリアの門を叩いてほしいと思います。
別に集団行動を強いているのではなく、ゲームはひとりで作ることができないわけですから、仲間意識を持ち、信頼関係を築き、そこから生まれる絆を何よりも大切にできる人材を求めています。
現在のスタッフも、スタジオイストリアの新しいチャンレンジに共感してくれ、ともに歩みたいという人たちです。
そう思ってくれる方にぜひ来てほしいですね。
「こんなことができます」、「こんなスキルがあります」という前に、「僕たちといっしょに前に進む覚悟がありますか?」と。

――現在、転職を考えているクリエイターに、ひと言アドバイスをいただけますか?
馬場転職は非常にパワーが必要です。
疲れますよね(笑)。
いままでの慣れた環境を飛び出して、孤独なゼロからのスタートになるわけですから。
もちろん、現在の環境でがんばるのもいいと思います。
しかし、新しい環境で、自分の新しい可能性を追い求めたり、人脈を広げて貢献したいと考えたりするのであれば、タイミングや縁も重要です。
ご自身の人生に直結する話なので、気軽に考えることはできないと思います。
しっかりと今後どうしたいのかを考え、慣れ親しんだ環境から飛び出す勇気、そして飛び出すことにした自分の選択、それらを自分でキチンと理解したうえで活動するのなら、恐らく何も後悔することはないでしょう。
「何となくいまの会社がイヤだから」で転職するのは、ただ疲れるだけです。
目的や意識を持つことが重要ですし、それは雇用する側の相手にも伝わると思います。
選択した以上は自分の責任です。
しかし、その選択がいいか悪いかはすぐにはわからないのです。
結果的に悪い選択だったとしても、その先にまた選択する機会があれば、つぎはいい選択を選べるかもしれませんよね。
長期的に転職を考えると、気持ち的には少し楽になるのではないでしょうか。

――馬場さんの中で、スタジオイストリアの将来像をどのように描いていますか?
馬場ひとつ目は、こうして集まってくれたスタッフが、「この会社での仕事は楽しい」と思ってもらえるような環境にしていきたいですね。
ふたつ目は、より多くのお客様に対して、“人生の応援歌”となるようなメッセージを届け続けたい。
スタジオイストリアが作るゲームは単なるゲームではなく、プレイした後に何か考えさせられる部分がある、と感じてほしい。
ゲームですから、エンターテインメントでしかないのですが、その遊びの中から感じとってもらえるような応援歌的なメッセージの発信ができれば、スタジオイストリアの存在意義も強く生まれてくるのではないかと思っています。

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<スタジオイストリアってどんな会社?>
“笑顔、感動、幸福、人生の応援歌となる物語を届け続ける”ことを企業理念とし、スクウェア・エニックス・グループの新しい開発スタジオとして発足したスタジオイストリア。
社名にあるイストリアは、ギリシャ語で物語の意味を持つ。
同スタジオの根幹を成す言葉であり、お客様に物語と新しい遊びの体験を提供し、強いメッセージや“人生の応援歌となる物語”を作り続ける職人集団としてありたい、という想いが込められている。
発表されている新規IP“Project Prelude Rune”。
現在はコンセプトアート等が公開され、ジャンルゲームジャンルがRPGであること以外、詳細は不明。
“Project Rune=神秘の前兆”という意味を持つ本作の全貌が見えてくるのはまだこれからだ。

株式会社スタジオイストリア
●代表取締役:馬場 英雄●発足年月:2017年1月
●事業内容:ゲーム開発


Category: ゲームニュースまとめ

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